東京・伊勢丹新宿店では、金箔を巻いた恵方巻(1本1万800円)が販売している。おそらくこの商品は伊勢丹で、節分当日に販売しているもっとも高い商品だろう。これに次いで高いのが、柿安ダイニングの1本1万1円の恵方巻きである。
優れた血統の松阪牛サーロインステーキを使用しているので、高額なのではないかと思う。実際に購入して食べてみようと思ったら、意外なものが入ってるじゃないか! なんじゃこりゃ!? 貴族の食べ物ではないか!!
・恵方巻にサブタイトルがついてる
この商品の正式名称は「幻の恵方巻 松阪牛サーロインステーキと奥出雲産仁多米 ~白トリュフ塩を添えて~」である。やたら名前が長い。しかも巻きずしのクセに「~白トリュフ塩を添えて~」というサブタイトルが付いているじゃないか。気取ってるな~……。
・木箱入りだと!?
買ってみてまたビックリ! 巻きずしのクセに木箱に入ってる。この木箱代も1万円に入ってる訳でしょ。プラスチックの容器でいいから、値段を下げるか、木箱分巻き寿司の方を充実させるってことにはならなかったのかな?
まさか恵方巻の高級志向がここまで進んでいるとは。
・白トリュフ塩の量、多くない?
驚きはまだまだ続く、フタを開けてまたビックリだ。中には巻きずしだけが入っていると思ったら、円形の容器に入った何かがある。何だコレ?
実はコレ、白トリュフ塩である。イタリア産の乾燥トリュフとフランス産の塩をブレンドしたものだ。へ~、素材にこだわっているのね~……。うん? ちょっと待て、恵方巻を買ったはずなんだが。
・貴族ならわかる
どうやら、この塩を付けて恵方巻を食うとウマいということらしい。それはわかるが、塩の量は多すぎないか? もっと少量にして、恵方巻をデカくしてくれた方が、はるかに嬉しいんだけど。私のような庶民には理解に苦しむ。きっと貴族なら喜ぶ演出なんだろう。いやしい私には全然わからない……。
・ひと思いにかぶりつきたかったけど……
前置きがかなり長くなった、やっと恵方巻の話に入ることができる。白トリュフ塩が木箱のスペースを取っているので、恵方巻自体は当然短くなる。それでも肉の量は申し分なさそうだ。
はみ出した部分の肉色は実に美しい。これはウマいに違いないだろう。
これはひと思いにかぶりつきたい! 肉の旨味を存分に味わいたい!! そう思ったのだが……。
・やっぱ白トリュフ塩、いらなかったんじゃない?
塩を使わない訳にはいかないだろう。だって、その分も1万円の料金に入っているのだから。強いトリュフの香りが立つ塩を、ティースプーンにすくい、カットした恵方巻に少々ふってみる。そして、1切れ食べてみると……。うん! ウマい。洗練された肉の旨味が、口に広がる。これはぜい沢だ! 繊細かつ芳醇な肉の美味しさを楽しめるだけで、コレを買った価値はあるだろう。
だが。白トリュフ塩の存在価値がイマイチ良くわからない。これ必要だったのかな? 庶民の私には最後までわからなかった……。
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24