2月3日、節分豆まき恵方巻! 恵方巻の知名度もすっかり全国区になった感があるが、皆さんは恵方巻を食べる予定はあるだろうか。

これは縁起のよい方向を向いて、巻き寿司1本を丸かぶりするというもの。大阪発祥の風習と言われているが、毎年この時期になるとネット上でこんな議論が巻き起こる。「恵方巻は下品」。そんな書きこみは激しくシェアされるのだが、恵方巻下品説について大阪出身の私はこう思う。

・恵方巻は下品なのか

恵方巻はなぜ下品と言われるのか。それは恵方巻の由来のひとつに「遊郭で太巻きをアレに見立てて頬張るという遊び」という説があるためである。初めて聞いたとき、ダイレクトすぎるだろと笑ってしまったが、まぁそういうことだ。

下品と言う人の気持ちもわからなくもない。

・大阪人が思うこと

だがしかし! 小さい頃から恵方巻に親しんでいる身としては、今さら他の地域の人に「下品すぎる!」と叩かれるとすごーく微妙な気分なのだ。

2月が近くなると新聞屋さんから「今年の恵方はココ!」というお知らせが入る。当日、母と一緒に巻き寿司を作るのを楽しみにしていたし、また、食べる際は一切声を出してはいけないので、「声出したらアカンで」と弟とめくばせしながら食べたのもいい思い出だ。

そういう風に楽しんでいた身としては、「下品」の一言で片づけられるのはどうも納得いかない。そもそも日本各地のお祭り自体、紐解けば性的な話がついて回るじゃないか! それはいいのになんで恵方巻だけアレコレ言われなアカンのやー!! 

・それより「ビジネス恵方巻」よ

何より個人的に気になるのは「ビジネス恵方巻」のゴリ押し感だ。モノを売るために日夜努力している方には非常に申し訳ないのだが、近年の恵方巻の押され方がどうもしっくりこない。“卑猥な由来” よりそっちの方がよっぽど……という気がする。

そして「恵方巻」と呼ばれる商品を見ていると外国文化を見ているような気分にさえなる。自分が親しんだ恵方巻が、卵、キュウリ、かんぴょうなどの質素なものだったので、超絶豪華な巻き寿司や、さらにはケーキなど全く関係ない食品が恵方巻と呼ばれるのも違和感バリバリだ。

とはいえ、以前の記事のとおり業界としては恵方巻のゴリ押しも「売れるからプッシュしているだけ」という話だ。ああビジネス、ああ資本主義。

そもそも大阪の恵方巻自体が海苔業界の販促キャンペーンだったと言われている。クリスマスチキンもバレンタインチョコもビジネスから始まった習慣だ。現在の恵方巻も長いときをかければ自然な存在になるのかもしれない。

執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.