すっかり浸透した感のある「担々麺」。噂によると、担々麺専門店や「つゆなし担々麺」まで存在するらしい。だが、私(中澤)は、生まれて34年間担々麺を食べたことがない。したがって、どんなものを担々麺と呼ぶのかさえ知らない。一体、担々麺は何を根拠に「担々麺」とか名乗っているんだ?
味噌ラーメンや塩ラーメンのように「○○ラーメン」じゃダメなのか。お前だけちょっとわがままちゃうか。そんなに目立ちたいのか。小学校の体育教師ならそう言うだろう。そこで、担々麺が体育教師に怒られないレベルでオリジナリティーがあるのかどうか確かめに行くことにした。
・ミシュランに載った担々麺
訪れたのは、「ミシュランガイド東京2017」に掲載された店の中でも日本で2番目に一つ星が付いたラーメン店「鳴龍(なきりゅう)」だ。ここがダメなら、日本の担々麺は全部体育教師にブチ切れられることになるだろう。
開店の11時30分の1時間前に現地に到着したが、すでに何人かが並んでいた。この寒空の下、頭が下がる。成績が悪くとも、体育教師が認めるパターンだ。開店時間を迎えるころには、行列は30人ほどに。「ミシュランガイド2017」の発売から2カ月が経ったが、その熱はいまだ冷めやらない。
・ウマそう
開店後、店内になだれ込む人にまぎれて食券を購入。注文はもちろん担々麺だ。カウンターで食券を渡すと、しばらく待った後、担々麺が到着。赤と白が混じり合ったオレンジのトロトロスープと、ラーメンと同じ麺。ウマそうだが、見た目は「○○ラーメン」でも良さそうな外見だ。体育教師が竹刀に手を伸ばす。
・スープを飲み干すほどのウマさ
だが、問題は味である。これで、味に圧倒的な違いがあるなら、体育教師も納得することだろう。さあ見せてくれ。1人だけ違う名前で呼ばれるその理由を! ひと口食べてみたところ……うおおおおおおおお!!
めっちゃウマい! 辛みの中にある圧倒的なゴマのまろやかな風味。飲み始めたら、もうひとすくい欲しくなる止まらないスープだ。そんなスープが麺と絡んで、極上のハーモニーを奏でている。
特筆すべきは、それほどに強烈なウマみであるにもかかわらず一切飽きないこと。食べれば食べるほどに体が脳が口が心が! 次のひと口を求めてしまうのだ!! マジウメェェェエエエ!!!!! 気がつけば、スープまで飲み干してしまっていた。
普段、麺類のスープを飲み干すことがあまり無い私。しかし、ここの担々麺は、そんな食生活などお構いなしに胃が欲するようだ。さすがミシュランガイドに掲載された店である。
・心の中の体育教師に聞いてみた
ウマい……確かに圧倒的にウマい。だがしかし、今回判断したいのは、「担々麺は1つのジャンル化するほどのものなのか?」ということ。心の中の体育教師に聞いてみる。吉田先生、どうでしょうか?
吉田先生はブチキレていた。なぜ「ピリ辛ゴマラーメン」じゃダメなのか。やはり目立ちたがりなだけじゃないのか。お前はそんなインスタントな手段を使わないと目立てないやつだったのか。言うならば、テストで本名が田中なのに「カルロス」と書いてるのと同じだ。というわけで、担々麺は校庭10周。
なお、「鳴龍」の担々麺の味自体は、マジでウマいのでラーメン屋としては猛烈にオススメだ。他のラーメンも食べてみたくなる深みある味だったことを追記しておきたい。
・今回紹介した店舗の情報
店名 鳴龍
住所 東京都豊島区南大塚2-34-4 SKY南大塚 1F
営業時間 11:30~15:00 / 18:00~21:00
定休日 火曜 ※月曜はランチタイムのみ営業
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼クソウメェェェエエエ!
▼他のラーメンも食べてみたくなる深みある味