2008年に起きたリーマンショックにより世界中が不況に陥り、もうすぐ10年が経とうとする。なんとか当時の大不況から脱し、徐々に景気回復が進むなか、不動産の価格が高騰中の都市が出現している。
そこで、「2017年版:世界で最も不動産が高い都市ランキング」が発表されたので、紹介してみたいと思う。なお今回のランキングは、メディアン・マルチプル(Median Multiple)という、住宅価格の中央値が所得の中央値が何倍かという指標が使われている。つまりこの数値が大きいほど、住宅を手に入れにくい都市であるということだ。
意外な場所もランクインしているぞ!
10位:ドーセットとボーンマス(イギリス)
ドーセットは英南西部に位置する地域で、ボーンマスは、ドーセット最大の都市でリゾート地としても知られている。2016年に行われた調査では、‟異常に高すぎて手が出ない不動産” と呼ばれてしまったほどで、メディアン・マルチプルは8.5となっている。
9位:サンフランシスコ(アメリカ)
GoogleやApple、Facebookのお膝元で、IT企業のメッカとなったシリコンバレー。そんな街を抱えるサンフランシスコは不動産が高騰中で、メディアン・マルチプルは9.2である。
8位:ロサンゼルス(アメリカ)
筆者はロサンゼルスに住んでいたことがあるのだが、年々不動産価格が急上昇していた。たった1年間で、住宅価格の中央値が所得の平均値14カ月分も上昇し、メディアン・マルチプルは9.3に。
7位:ホノルル(アメリカ)
リゾート地として大人気のハワイは、物価が高いことでも知られているが住宅の価格も上昇中。メディアン・マルチプルは9.4と発表されている。
6位:メルボルン(オーストラリア)
ブリスベンに住む筆者の妹が、「物価も不動産も高すぎて、マイホームなんて夢のまた夢……」と嘆いていたことがある。オーストラリアの第2の都市メルボルンはメディアン・マルチプルが9.5で、6位のランクインとなった。
5位:サンノゼ(アメリカ)
サンフランシスコとロサンゼルスに続き、カリフォルニア州の都市サンノゼが5位の座に。メディアン・マルチプルは9.6となっている。
4位:オークランド(ニュージーランド)
住宅価格が軒並み急上昇しているというオークランドが、かなり上位に食い込んでいる。メディアン・マルチプルは大台2桁の10に。
3位:バンクーバー(カナダ)
1年間で住宅価格が年収相当分上昇したというバンクーバーが、トップ3にランクイン。メディアン・マルチプルは11.8をマーク。
2位:シドニー(オーストラリア)
シドニーに住む筆者の友人も、妹と同じように物価と不動産の高さに悲鳴を上げている。堂々2位の座に輝いたシドニーのメディアン・マルチプルは12.2に。
1位:香港(中国)
7年続けて1位の座に君臨するのは香港である。今年は、昨年のメディアン・マルチプル19から18.1に数字がダウンしたものの、相変わらず不動産はべらぼうに高いようである。
こうして見ると、トップ10にランクインした都市のほとんどが、北米西海岸とオセアニアに集中している。不動産が高騰している都市は、それだけ発展が著しいという意味なのかもしれない。
参照元:調査結果レポート(PDF)、Business Insider、CNN(英語)
執筆:Nekolas
Photo:RocketNews24.