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2016年5月に大きな話題となった「中国の1200人乗りバス」。何十人レベルの路線バスのラッシュでさえ辛いのに、どんな地獄のクリエイターだよ!? と、思ってしまうが、その姿は意外と近未来的。正直、カッコよかった。

そんな近未来バスは、まだコンセプト映像や模型レベルの話と思われていたが、早くも試験運転が始まったという。いつもながらの不安になるレベルの仕事の早さ。その様子は動画「Awesome! China’s futuristic “straddling bus” launches 1st road test」で確認できる。

・中国の1200人乗りバス

中国の1200人乗りバスこと「Transit Elevated Bus(TEB)」。漢字だと、中国の「巴士(バス)」と「地鉄(地下鉄)」の文字をとって「巴鉄」だ。その仕様は以前の記事でもご紹介したが、TEBの特徴は何と言ってもその形状。正面から見ると、漢字の「円」のような形をしており、上半分が車輌、足の部分がトンネル状になっている。道路をまたぐように走るのだ。

乗客は上半分の車輌部分に。そして、トンネル状になっている部分をほかの自動車が通り抜けられるようになっている。いわば道路を立体的に利用するということ。多くの人を運ぶことができ、かつ渋滞の原因にもならず、さらに建設コストも地下鉄よりかからないという夢の乗り物なのだ!

・早くも試験走行が始まる

確かにコンセプトだけを聞くと非常に素晴らしい。パトレイバーの映画でも似たような車輌が登場していたし、近未来感たっぷりだ。そんなTEBの試験運転が、2016年8月2日に河北省秦皇島市で始まった。「2016年後半には試験運転」としていたのに、もう!? 

いや、8月も大きく分ければ後半と言えば後半なのだが、5月に模型をお披露目したばかりだったので、2016年後半はもう少し先のことかと思っていた……相変わらず仕事が早い。

・車高が高いクルマはどうするの?

さて、肝心の試験車両は一両編成で定員は300人とのこと。動画では、TEBの下を通行しているらしきクルマも収められているのだが、あれっ、トンネル部分、なんだか低くないですか?

中国メディアによるとTEBの下を通行できるのは、車高2メートル以下の車両だという。たいがいの乗用車はクリアできそうだが、結構ギリギリだ。トラックなどの大型車は確実にアウト。中国名物の過積載すぎるチャリも絶対に無理だし、陸橋もどうするの……?

ただ、今回公開されたのはあくまで試験車両だ。試験走行のルートは、大型車や陸橋などの障害がないのかもしれない。商業運転の際に、さらに改良がなされることであろう。と、願いたい。

・商業運転も遠いことではなさそう

とにかくあっという間に始まった近未来バスの試験走行。その是非はさておくとして、中国はとにかくこの手の認可&試験 → 運用が早い。リニアモーターカーの商業運転だってもう12年も前から始まっている。TEBも、来年早々には、もう実用化されちゃっているかもしれない。一度は乗ってみたいものだ。

参照元:YouTubeSina Weibo鳳凰網
執筆:沢井メグ

▼こちらがその動画だ!

▼車両の中のようす