今日からついに8月1日。やってきたきた夏本番だ! そんな本日8月1日は何の日かご存知だろうか? 水の日でもあり、カフェオレの日でもあるのだが、何と言っても「世界母乳の日」であり「おっぱいの日」である。
「世界母乳の日」は、1990年にWHOとユニセフが出した母乳育児の促進や支援の必要性を訴えた「イノチェンティ宣言」を記念したもの。そして、「おっぱいの日」は、8月1日の8(ぱ)と1(い)から来ているそうだ。そういえば、母乳や胸をおっぱいと呼ぶよなぁ。なぜだろう?
・おっぱいとは何なのか
そもそも、おっぱいとは何なのか。日本最大規模の国語辞典『日本国語大辞典(小学館)』によると、おっぱいとは「乳汁、乳房をいう幼児語」であるという。繰り返す、おっぱいは幼児語。まんまとかワンワンとかああいう類の言葉! なお漢字はない。
・幕末の文献に「おっぱい」の文字を発見!
さて、そんな「おっぱい」という単語はいつから使われたのか。非常に興味深い情報をキャッチしたので紹介したい。文献に初登場したのは、1859~1860年頃に成立した随筆『於路加於比(オロカオイ)』ではないかというのだ。江戸時代、それも幕末の頃である。
・「ををうまい」からの転化という説
『於路加於比』は、古今東西ニッポンの風俗を挿絵つきで記されたものだ。食べ物から風習、人物にいたるまで様々な日本の姿が紹介されている。その『於路加於比』第3巻の「小児語」の項目を見てみると……
「乳汁をおつぱいとは、ををうまいの約りたる語なるべく」
要するに「母乳をおっぱいというのは “おお、うまい” が縮まった言葉」ということらしい。って、「うまい」って誰が言うたんや? 赤ちゃんか!?
・少なくとも150年以上の歴史
『於路加於比』ではこう解説されているが、語源については諸説ある。「ををうまい」はひとつの説にすぎないが、確かに言えるのは、少なくとも幕末の日本には「おっぱい」という言葉が存在し、当時の流行や風俗を紹介する本に掲載されるレベルの浸透ぶりを見せていたということだ。おっぱいに150年以上の歴史あり……!
この単語に抱くイメージは人それぞれかとは思うが、いかにも優しげで柔らかな響きを感じる人が多いだろう。最初に言い出した人間は確実に天才だ。
参照元:『日本国語大辞典』、『日本随筆大成』第2期20巻、快適母乳生活研究所
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.