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今や世界の人口は70億人を突破。また国連の予測によると2050年には97億人に増えるらしい。そんなに増えたら、食料が足りなくなる……! とのことで、「食糧危機」の対策がさまざま練られている昨今。中でも昆虫を食べる、いわゆる「昆虫食」が対策の一つとして挙げられる。

昆虫食といえば、みなさんは「ゴキブリのミルク」をご存知だろうか? 牛乳の3倍ものエネルギー量を含むという、クレイジー極まりないシロモノだ……。食糧危機で牛乳が足りなくなっても、もう心配ないさーーー!?

・特定の種類のゴキブリから採れるミルク

「ゴキブリ」と聞くだけでゾクッとしてしまう人もいるだろう。そしてここからは更に気持ち悪い話になるが、まぁ聞いて欲しい。ゴキブリって虫でしょ? ミルクなんて出せるの? と思うだろう。出せるのだ。

海外メディアの報じるところによると、「胎生」のゴキブリ、つまり卵を体の中でふ化させて、ある程度成長した状態で生まれる種類のゴキブリはミルクを出すそうだ。そのミルクによってゴキブリの赤ちゃんたちは成長する。

・栄養価がクレイジー

なんでもそのゴキブリミルクにはタンパク質が豊富に含まれているそうで、カロリーは同じ量の牛乳と比べると3倍にもなるらしい。それだけではない。研究者によると、ゴキブリミルクには脂肪、糖質、全ての必須アミノ酸も含まれており、まさに “完全栄養食品” だとの太鼓判! 筆者の知っている完全栄養食といえば、「卵」があるが、まさかその卵と同じくくりだとは……!!

・商品化の目途は立っていない

ゴキブリミルクがスゴイことは分かったが、現在のところ商品化の目途は立っていないとのこと。牛のようにミルクを搾るわけにもいかないから、難しいだろうなぁ。方法としては、ゴキブリミルクから「酵母菌」を取りだして、そこからミルクの栄養分を含む “結晶” を作りだす、というのがあるそうだが……。

苦労して商品化できたところで、次の課題は “ゴキブリのイメージの払拭(ふっしょく)” だろう。いくら「栄養価スゴイアルヨ!」と言われたところで、ゴキブリの体の中から出てきたもので作られた物を口にしたい、とは大半の人が思わないはずだ。

しかしいずれやってくるであろう食料危機。事態が深刻になれば、「ゴキブリ? 無理。」なんて言っていたのが懐かしい日々が来るかもしれないし、来ないかもしれない。

参照元:ScienceAlertTimes of IndiaIFLScience(英語)
執筆:こやぎ
イラスト:RocketNews24.