「うんこを踏んだっていいじゃないか。にんげんだもの」とはよく聞く言葉だが、道端でうんこを踏むと、何歳になってもショックであることに変わりはない。あのプニュっとした感触がもたらすイヤな予感。そして「もしかしたら土かも」という淡い期待の後にやってくる絶望……。

そんな経験をするたびに、「ここに犬のうんこを放置したのは一体誰!? ちゃんと持って帰って!!」と憤る人は多いだろう。何とも困った「マナーの悪い愛犬家」だが、その対策として面白い試みが海外で行われているようなので紹介しよう。

・スペインの美化キャンペーン

スペイン・マドリードのトレロドネス。海外メディアが報じるところによれば、ここには高さ2メートル、幅3メートルの巨大なうんこが町中に鎮座している。といっても本物のうんこではない。そんなものがあったら大変だ。あるのは、空気注入式のエアーうんこ。

なぜ、町中にエアーうんこがあるのか? 当然気になるだろう。実はこれ、町の美化キャンペーンの一環で設置されており、「飼い主さん、犬のうんこを持って帰ってね」というメッセージが込められているそうだ。

・毒をもって毒を制す

なんでもトレロドネスでは『通りに放置される犬のうんこ』が多くて、問題になっているらしい。その状況を改善するために、“毒をもって毒を制す” 発想のもとに生まれたのがエアーうんこ。「道路にメチャクチャいっぱいうんこが放置されてまっせ!」という町の状況を、その巨大なサイズで表現しているというワケだ。

またエアーうんこ以外にも『うんこ彫刻』が設置されているほか、町側が「エアーうんこの前で写真を撮って、ハッシュタグを付けて投稿してね」と住民に呼びかけるという徹底っぷり。うんこを軸にしたブレない美化キャンペーンが行われているのである。

・成功する?

この試みが結果的に功を奏すのかどうかは分からないが、斬新な発想であることは確かだろう。「マナーを守れ!」と厳しい口調で伝えているわけではないし、公園の注意書きみたいに「犬のフンを持って帰りましょう」と “優しくお願い” をしているワケではない。ドーンと巨大なエアーうんこである。

これ以上ないほどに直接的で、しかもユーモラス。人々の印象に残りやすい上に、心にも入ってきやすいのではないだろうか。おまけにSNS で流行したら、エアーうんこがちょっとした名所になるかも。

そう考えれば、一見フザけたキャンペーンに見えるが、実は意外とスマートな方法……な気がするのは、私だけだろうか? 

参照元:Facebook、Twitter #nomascacas Atlas Obscura(英語)
執筆:和才雄一郎

▼うんこ

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