高い空へ吹き抜ける爽やかな風。草木は新緑の色に染まり、街はすっかり初夏の雰囲気だ。梅雨入り前に訪れる一瞬の季節……それはジェットコースターの降下が始まる前の感じに似ている。太陽の季節に向かってちょっとずつ上昇していくワクワク感。今年の夏は何が起こるだろうか?
ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ちそば放浪記」。今回は今の季節にピッタリなそば屋・池袋の『君塚』をご紹介したい。長なすが旬であるこの時期、この店の「なす天そば(400円)」が凄いことになるのだ。器にフタが乗っているかのようなその姿は “圧巻” のひと言! このなすを食べるだけで初夏を満喫できるぞ!!
・気になる外観
池袋西口の5差路にあるこの店。オレンジに黒で「君塚」と力強い筆文字で書かれた看板、格子上の壁やストライプの軒など、どことなく落語のようなイメージを漂わせている。一度見たら忘れないインパクトの強い外観だ。ここを通る人で「入ったことはないけど気になる」という人も多いのではなかろうか?
・多種多様すぎるメニュー
扉を開けて中に入ると、そこは立ち食いカウンターのみの細長い空間だ。店内にところ狭しと貼られたメニューの数は、実に50種類以上! かき揚げそばやきつねそばなどの定番から、中華そばや冷やし中華などの「そば屋?」なメニュー、さらにはキムチそばやマーボーそばなどの攻めたメニューまでよりどりみどりである。
・この時期のオススメ
その中でも4月~6月の今の時期にオススメなのが「なす天そば(400円)」。この季節は長ナスが旬のため、使用されるなすが巨大になるのだ。もちろん価格は変わらない。というわけで、「冷やしなす天そば」を注文。
・そばにフタ
運ばれてきたそばには、グローブのような形のフタが乗っていた。そばにフタとは珍しい。だが、フタを開けてみると、そばだけでなすがない。ヲイヲイ親父よ、私が頼んだのは「なす天そば」だぞ? なすはどこに行った! なすを出せ!! とノドまで出かかって、ふと気づいた。フタやと思ってたけど……コレなすや!!!!!
・初夏の味
そばを覆うその姿を改めて見ると、人気メニューであることもうなずける。さっそくひと口食べてみると、芳醇ななすの香りが口いっぱいに広がった。太目のそばは風味豊かで、なすの生き生きした味に負けていない。そして、柔らかいつゆがその2つをサポートしていて食べやすい。
食べ終わった時、私の口の中にはすっかり初夏の風が吹いていた。このワクワクする感じ……夏が来る! なお、丼ものも充実しているのもこの店の魅力の1つ。ガッツリ派の方は是非セットも食べてみてくれ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 君塚
住所 東京都豊島区池袋2-1-1
営業時間 24時間営業
定休日 無休
Report:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼落語感漂う気になる外観
▼多種多様すぎるメニュー
▼オススメは「なす天そば」
▼ガッツリ派のあなたはセットも是非。「なす天そば+うま辛丼セット(610円)」
▼ピリッとした味が意外にも甘辛いつゆとマッチする「マーボーそば(390円)」
▼ご飯ものと頼むとつゆの味がついたキムチが生きる「キムチそば(390円)」
▼キムチそば+ねぎチャーシュー丼セット(600円)
▼マーボーそば+かつ丼セット(680円)
▼丼の中で1番ウマいのは「かつ丼」だった