
「台湾ブーム」と言われてはや数年。現在、台湾は海外の人気渡航先ブッチギリNo.1であるそうだ。“台湾が好き” という理由は、気候がいいし、ゴハンも美味しいし、人が優しいし……と、人それぞれだろう。
そんな少しでも台湾が好きという方で、もし、もし、まだご存知でないなら、是非見てほしい台湾映画がある。戦前における日台の絆を描いた『湾生回家(わんせいかいか)』。大阪アジアン映画祭で日本初上映となったのだが、映画祭当日の様子をお伝えしつつ、見ておくべき3つのポイントを紹介したい。
・「湾生」とは?
「湾生(わんせい)」は、一言で言うと「戦前に台湾で生まれた日本人」のこと。1895~1945年の日本統治下の台湾に移住した日本人の2世、3世のことだ。当時、台湾で生活していた日本人は敗戦にともない、本土への引き上げを余儀なくされている。
そして、タイトルにある「回家」とは直訳すると「家に帰る」ということ。この映画は、かつて故郷から離れざるをえなかった湾生の方々が、それぞれの “失った故郷” を、懐かしい人たちを訪ねるドキュメンタリーだ。
はっきり言って泣けるのでハンカチが3枚は必要だが、この映画はただのエエ話ではなかった。というか、エエ話だけで済ませるのはもったいない。台湾と日本について、考えさせられるポイントがいくつもあったのだ。
その1:リアルに伝わってくる日本と台湾の過去
台湾ブームと言いつつも、旅行やグルメ以外ではイマイチ情報が少ない。反対に、台湾人は、私たちの想像以上に日本のことをよーく知っている。いまの流行や、芸能人などもそうだが、歴史もそのひとつだ。
この映画は、そんな過去の台湾の様子をリアルに描いている。湾生が実際に故郷や懐かしい人々を訪ねるシーンが細やかにとらえられているのだ。そこでのやりとりを見ていると、人々の間には日本人も台湾人もなく、たしかに「かつてはひとつの国として歩んでいる時期があった」ということが、ジワリと伝わってくるのだ。
その2:いまの台湾もちょっと見える
すでに公開されている台湾では映画は大ヒット。2015年の台湾アカデミー賞こと「金馬賞」のドキュメンタリー部門にノミネートされ、興行収入も日本円で約1億2000万円を記録。現地メディアからも「完全にダークホースだった」と評されている。
しかも、このヒットを支えているのは当時を知る世代だけではないそうだ。台湾では若者を中心に、大陸の中華民国から連なる歴史ではなく、台湾としての歴史をとらえ、台湾人としてのアイデンティティを見出そうという動きがある。そのなかで、日本時代の台湾を扱う作品に注目が集まっているというのだ。
なぜ『湾生回家』が台湾でヒットしたのかを考えながら見ると、現在の台湾の姿が少し垣間見えるのではないだろうか。
その3:いい面も悪い面もあった時代
映画は、懐かしい思い出をたどるストーリーではあるものの、全面的に「日本時代が良かったー!!」という話ではない。
もっとも象徴的なのが、作品内に登場するある台湾人が日本統治時代について話すシーン。インフラの整備が進んだことと、日本人の台湾原住民への不当な扱いが発端となった “霧社事件” を引き合いに「いい面も悪い面もあった」と話している場面だ。過去を非常にフラットにとらえた一言である。
台湾では、日本人だとわかると良くしてくれる人は多いし、それは嬉しいことだが、もしかしたら感情が作られた土壌は、それほど単純なものではないのかもしれない。考えさせられる一言だと言えるだろう。
・映画祭ではスタンディングオベーションの嵐!
『湾生回家』 は、2016年3月4日に行われた大阪アジアン映画祭初日に上映された。監督の黄銘正氏は「日本での反応にワクワクする」という旨を控えめに話していたが、終わってみると大きな拍手が! スタンディングオベーションが沸き起こり、日本の観客の心にも響いたのは一目瞭然である。
この日の会場には、台湾映画ファン、台湾と深く交流を持つ人、また台湾人も多く見られたが、上映後は「泣いた」「1日でも早い公開が待たれる」「もっと皆に見てほしい」との声が多く聞かれた。
・日本では2016年秋に公開予定
日本で、台湾の存在が大きくなった東日本大震災からもう5年だ。そろそろ「親日な国だから、好き」からもう一歩進んでもいい時期かもしれない。相手はそれ以上に一緒に歩んできた過去を知っている。『湾生回家』は、そのタイミングで見る映画にピッタリなのではないだろうか。
『湾生回家』の大阪アジアン映画祭での上映は3月8日で終了だが、すでに日本での配給が決定しているという。大阪アジアン映画祭公式サイトによると、岩波ホールで2016秋に公開予定とのことである。
参照元:大阪アジアン映画祭、Facebook 湾生回家、松竹株式会社
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
▼大阪アジアン映画祭のようす。監督とプロデューサーのほか映画に出演した湾生の方5名も登壇した
▼こちらが黄監督
▼湾生を代表してスピーチをした冨永勝さん。撮影中に台湾の若者との交流に感激したとユーモア混じりに話し会場を沸かせていた
▼台湾版の予告編。黄監督が「70%以上が日本語」というように字幕なしでほとんどわかる
▼日本の公開が楽しみだ!
沢井メグ




【台湾映画】台湾ブームの今こそ見たい映画No.1! 幻の名作『ラブ ゴーゴー』はなぜにこうも台湾を感じるのか / 全国でリバイバル上映中
台湾映画『星空』が名作なのに日本公開に6年かかったのはナゼ?→ 「版権が行方不明」だったからと判明! 一体何があったのか詳しく聞いてみた
【予告編で泣いた】奇跡のアニメ映画『幸福路のチー』はなぜこうも大人の胸を打つのか / ついに日本でも公開
【台湾好き集まれ】2019年夏 Netflix がアツい! 五月天の映画『Mayday Life(人生無限公司)』に霹靂社(PILI)の人形劇まで! 台湾語もアリ
【結論】台湾映画&ドラマなら全力で「Netflix」を推したい! 作品数も内容も圧倒的だった / 華流好きがNetflix、Hulu、Amazon、dTVを比較した結果
妻が買った5000円の「山崎実業」風呂イス、機能性は抜群なのに結局「ダイソー」のイスに戻ってしまった
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 2007話目「休暇明け⑨」
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 2006話目「休暇明け⑧」
両隣にイチャつくカップル…私が1人焼肉で「豚肉」を食べまくった理由 / おひとりさま食べ放題のリアル
オレのやつコレ!? 寿命よりも気になった色と形! 四コマサボタージュFB第11回「命のロウソク」
刺身食べ放題の『漁港食堂 三方』が東京初出店! 多摩センター店に行って分かった「従来の漁港食堂との違い」と「コスパ」
読者に教わった「アイラップ湯せん」でローストビーフを作ったら、ついに過去最高レベルの仕上がりになった
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 2001話目「休暇明け③」
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 2003話目「休暇明け⑤」
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 2002話目「休暇明け④」
【1000円以下食べ放題】900円のランチ定食注文で炒飯食べ放題! 唐揚げや水餃子もついてくるガチ中華『四川厨房 随苑 内神田店』
【1000円食べ放題】唐揚げ、麻婆豆腐がおかわり自由! ガチ中華『香港餃子酒場』ランチの副菜ビュッフェがおまけを超えてる
定額で遊び放題! 福生『ゲームセンター タンポポ』は、行き場のない “みなし機” の新たな活躍場所 / 懐かしの名機に会える楽園
都内の「天下一品」跡地に10店同時オープンした「伍福軒」が全店一斉閉店 / 6月中旬で店舗ゼロに
覚悟して「2つ折りスマホ」を買って1年2カ月が経過。今の端末の状態と、購入を検討している人はむしろコレを気にしてほしい
オニヤンマのフィギュアが虫よけになるってほんと? 2週間かけて試してみた正直な感想
【事件】久しぶりに「串カツ田中」に行ったらほぼ別の店になっていた / 豚もエビもレンコンも食べずに帰ることになった理由
【本日発売】「ローソンの福袋」(2160円)があまりにパンパンに詰まってて、持って帰るのちょっと恥ずい
中国「渡航自粛要請」から2週間が経った京都市内「祇園」「清水寺」「錦市場」の様子を見に行ってみた
黄ばんだスマホケースを『オキシ漬け』したらこうなった / TPU素材の変色は復活するのか?
【ついに】 “台湾版” 孤独のグルメ『孤独的美食家』が5月からネット配信されると判明! ゴローさんは『宋家の三姉妹』などで孫文を演じた男前俳優
【セブン】台湾スイーツ「芋圓(ユーエン)」が新感覚の美味しさ!! モチモチ&芋好きは絶対にチェックすべし
【ギンギラギンギン】スタバにコンビニ、4D映画にピラミッド? 台湾仏教の聖地はぶっ飛んでいた! Byクーロン黒沢
【台湾好き集まれ】ファミマで「魯肉飯のおにぎり」が出てますよ / 香る八角! よく噛むと台湾コンビニのニオイする『ルーロー飯おむすび』
『ママレードボーイ』、16年前に実写化していた
【噂を検証】『千と千尋の神隠し』でお父さんが食べた “謎のプニプニ” は台湾の「肉圓(バーワン)」ではない! スタジオジブリに聞いたら違うと判明
【究極レシピ】ヤクルトと緑茶を混ぜると激ウマなんだぜ! 台湾の国民的ドリンク「ヤクルト緑茶」再現レシピがこれだ!!
【C‐POP】台湾出身バンドで初! Maydayの武道館公演が決定 / 海外アーティストにとっての “日本武道館” の意味
【チョロい】話題沸騰中らしい「台湾メロンパン」を食べてみた → 完全に自分で出来るヤツで笑った
日本で「台湾鉄道弁当」を食べたい人は今すぐ錦糸町に行くべし! 台湾料理店『劉の店』の鉄道弁当が死ぬほどウマいのだ!!
【毒舌注意】海外サイトが選ぶ「原作は神作だったのに実写化して超ガッカリした日本の漫画3選」