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SMAP解散騒動は謝罪生放送でひと段落した。しかし生放送の内容は、ファンの不安をよりかき立てるものになってしまったと言えるだろう。心痛極まった面持ちのメンバーの姿は、気の毒であると感じられるもので、決して円満解決した訳ではないと容易に察することができたからだ。

一部からは、謝罪を強要したのではないか? 事務所のパワハラじゃないのか? との声が挙がっている。そこで法律の専門家に、もし謝罪を強要した場合、それはパワハラになるのかについて尋ねた。

・法律専門家の見解

今回質問したのは、アディーレ法律事務所である。同所には、ベッキーさんの不倫騒動で離婚裁判になった場合についても質問している。今回はSMAPに関して、次のような質問に答えてもらった。

質問:SMAPの謝罪は、ファンに対して「解散はない」と伝えることよりも、見せしめのように見受けられたのだが、事務所が謝罪を強要していたとしたら、それはパワハラになるのか?

回答:「今回のSMAPさんの会見が、仮に、メンバー本人たちの意思に反し、『言いたくないことを言わされている』、『やりたくないことをやらされている』という強制的な要素があった場合は、『身体的な攻撃』や『過大な要求』、『個の侵害』に該当する可能性はあり、パワハラと評価される可能性も出てきますが、本人の意思で話しているということであれば、パワハラには当たりません。

あくまで、パワハラとして法律上違法となるか否かは、個別的な事情の総合考慮によりますので、どのような事情や経緯・背景があったかを詳細に吟味しないと何とも言えないところではあります。

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今回の会見やその発言内容を強要されたのみならず、『会見でこう言わないと給料を下げる』、『脱退させる』等、要求に従わない場合の不利益を告げた……、となればパワハラ度が強まりますし、また、『謝罪しない限りは今後仕事を与えない』等と脅して無理に謝罪させたとなれば、強要罪などの犯罪に該当する可能性も出てきますが、これは極端な例であって、今回のケースはそのような背景まではないと思われます。

芸能人である以上、事務所の意向を反映する必要がある一方で、事務所において社会的相当性を欠くような、芸能人個人としての人格権を侵害するような行為については、裁判所も違法であると判断する傾向にあります。

そのため、あまりに行き過ぎた強要があった場合には、パワハラとして違法となる可能性もあるといえますが、事務所として、芸能活動をある程度コントロールすべきは当然なので、指示指導の範囲内であれば、パワハラに問うのは難しいといえそうです。

ファンの方々は、メンバーの解散をなんとしても回避して欲しいと望んでいるでしょうから、今後も解散回避の方向に進んでくれることを祈るばかりですね

以上である。ちなみに謝罪生放送では、「解散はない」と断言はされなかった。謝罪をもって幕引きとなったようだが、今まで通り活動していくのだろうか? SMAPの今後の動向から目が離せない。

取材協力:アディーレ法律事務所
執筆:佐藤英典
イラスト:稲葉翔子