花の都と言われるフランス・パリは、凱旋門にエッフェル塔、シャンゼリゼ通りなど、世界トップクラスの美しさを誇る。しかし、美しいバラにはトゲがあるとはよくいったもので、スリをはじめとする軽犯罪が後を絶たず、観光客が標的とされることもしばしばだ。

気を抜けば財布をスラれることもめずらしくなく、先日もパリの地下鉄でスリの瞬間が激撮された……のだが、普通と違ったのが今回のスリ。その盗人は「世の中捨てたものではない」と思わせてくれる行動に出た。

・泥酔した男性をスリが襲う

衝撃シーンをとらえていたのは、地下鉄の防犯カメラ。泥酔しホームのベンチで寝てしまった男性にスリが近づき、犯行に及ぶ一部始終が収められている。案の定、グデングデンに酔っ払っていた男性はアッサリとスラれてしまう。

・泥酔した男性が線路に転落

ところが、そこから事態は急変する。財布をスラれた男性はおもむろに立ち上がると線路の方へフラフラ。そして次の瞬間、ホームから転落してしまったのである! 一刻を争う状況になったかと思いきや、電車が迫って来ている。もうダメだ……。

・スリが救助

とその時! ホームに進入する電車の横を走る男がいた。よく見てみると……な、なんと! 先ほど財布を盗んでいったスリではないか!! 彼が電車に知らせたからだろうか、電車は男性をひくことなく急停車。ギリギリで命が救われた。

・世の中捨てたものではない

人の注意力を操るスリだけに、盗んだ後も泥酔した男性を遠くから見ていたのだろうか。そこまでは不明だが、いずれにせよスリが助けたことに変わりなく、男性に手を貸してホームへ引っ張り出すのだから驚かされる。

確かに彼はスリを働いた犯罪者で、決して許されることではない。しかし、逃げることもできたにもかかわらず、ひとりの命のために彼は戻ってきた。それは動かぬ事実だ。人の心を失っていない彼が、早く更生することを願いたい。

参照元:Facebook
執筆:原田たかし