IMGP0080_580px

大事な大事なネコさん。何があってもお守りしますよ! そう、私はあなたの騎士(ナイト)……。そんなネコへの忠誠心を掲げるネコ飼いさんは多かれど、実はネコって、そこまで人間を頼りにしている訳ではなさそうだ。

なぜなら、この度行われた実験にて、「ネコは人間に守ってもらいたいと思ってない」ということが明らかになったのだとか。えええええー、そりゃあ何だか寂しいよ……。

・知らない場所で、ネコは飼い主を頼る?

今回の悲報を発表したのは、英リンカーン大学。動物行動学の専門家が、「知らない場所に連れてこられたネコは、飼い主さんを頼るか?」という実験を行ったのだ。

親子間の愛着などを測定するためのストレンジ・シチュエーション法(the Ainsworth Strange Situation Test)を通じて行われた今回の実験では、まず20匹のネコにそれぞれ個室(=知らない場所)に入ってもらう。そして、「飼い主と一緒」、「見ず知らずの人間と一緒」、「ネコだけ」などの違った状況での、ネコの反応を調べたのだ。

ちなみに実験に協力したネコは1〜9才で、オスが13匹、メスが7匹。その大半は完全室内外ではなく、屋外にも出て行くということだ。

9

・独立心旺盛なニャンコ!

結果、ネコたちは、飼い主を頼る様な行動を見せなかったことが判明。“飼い主の側から離れない”、“飼い主がいなくなったことでストレスを感じる”、“飼い主が戻ってきて喜んだ” などの仕草は皆無だったのだとか。

ただ、“見ず知らずの人間” がいなくなった後よりも、“飼い主” がいなくなった後の方が、ネコたちはよく鳴いたようだ。しかし、実験を行ったダニエル・ミルズ教授は、「ネコが鳴いたのも、単なるフラストレーション、あるいは、とっさに反応が出ただけとの可能性も考えられる」と話しているのだった。

1

・ネコの狩りの方法が関係している?

知らない場所でも、ネコは飼い主さんを頼らない。人間に「守ってもらいたい」という気持ちを持たない。そんな “ネコの独立心の強さ” が垣間見られた、今回の実験結果。その理由の1つに、「ネコと人間との歴史」が関係しているのではないかとミルズ教授は指摘する。

例えば、イヌは、人間と共に狩りをしてきたが、ネコは単独で狩りを行う。ネコは人間と共通の目標を持って、何かをやって来た訳ではないので、イヌとは違った独立心が育ったのではないかというのだ。ちなみにイヌが同様の実験を行った場合は、「人間と一緒にいると安心する」という反応を見せるということだ。

とは言え、ネコが飼い主のことを “どうでもイイ” と思っているわけではないのは、ネコを飼っている人なら百も承知のはず。ミルズ教授も「ネコだって人間と親密な関係を築いている。ただ、一緒にいて安心する、守ってもらいたいという理由ではないだけ」と述べているのだった。

まあ、ネコさんに頼ってもらえなくたって、私たちのネコへの気持ちは何一つ変わらないけどね!

参照元:University of LincolnR&D(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:Rocketnews24.

▼人間なんかに頼らないニャ!?
3