犬や猫を家族に迎えたいなら、ペットショップで買うのではなく、動物愛護団体やシェルターから譲渡してもらおう! そんな風潮が徐々に広まりつつある昨今だが、それでもまだまだ殺処分される犬や猫は後を絶たない。
そんななか、2022年2月22日までに『日本の猫の殺処分をゼロにする!』という壮大な目標を掲げる猫カフェが存在しているのを、みなさんはご存知だろうか? それが岐阜、大阪、東京と全国に3店鋪展開する保護ネコカフェ『ネコリパブリック』! なんとも心強いこの猫カフェに今回、ロケットニュース24英語版が潜入してみたぞ!!
・『ネコリパブリック 東京お茶の水店』に行ってきたニャ!
この度、ロケットニュース24英語版が訪れたのは『ネコリパブリック 東京お茶の水店』。本店は岐阜、2号店は大阪にあり、ここは3号店として2015年5月末にオープンしたばかりだ。レトロな雰囲気漂う店鋪は4つの部屋に区切られており、40匹のニャンコたちが、眠ったり遊んだりしながらお客さんが来るのを待っている。
「ネコスペース」や要予約の「ネコ個室」、「休憩スペース」に加えてあるのが、お日様がさんさんと降り注ぐ「ネコワーキングスペース」。その名の通り、数時間の会議やミーティングなど “お仕事” のために使われるこのお部屋。もちろん、ニャンコ付きで会議をするのだ。出版社の多い御茶ノ水という土地柄、多くの作家や編集者が集まってくるのだとか。
・「自走型保護猫カフェ」
そんな風にちょっと変わった『ネコパブリック』は、お金儲けだけを考えた猫カフェでは決してない。
「地域の保護猫団体と協力して、保護された猫の里親探しを行いながら、ビジネスとしても『自走』できることを目指す新しいスタイルの『自走型保護猫カフェ』」なのである!
・お店にいるのは、保護されたり拾われた猫ばかりニャ!
まず『ネコリパブリック』にいるのは、シェルターから引き取られたり、拾われたりした猫ばかり。しかし「猫を拾ったから」と勝手に持ち込んでいいわけではなく、店と提携関係にあるボランティア団体が里親を募集する猫に限られている。どの子も血液検査、ワクチン接種済みだ。
前述の「保護された猫の里親探し」とある通り、『ネコリパブリック』で “働く” ニャンコを新たな家族として引き取ることもできる。しかし、誰だって猫の里親さんになれる訳ではない。不幸な猫をこれ以上増やさないためにも、店側が設定した基準を満たし、審査を通った人のみが対象だ。2週間のトライアル期間も設けられている。
・猫グッズを買って、猫に恩返し
お店の猫たちを支えるのが、カフェ利用料やそこで売られる猫グッズで得られた収入だ。『ネコリパブリック』では、ピアスや靴下、ベーグル、人間と猫がシェア出来る食べ物など、猫好きの心をつかんで離さない可愛らしい猫グッズが多数販売されている。
そしてその多くは、猫たちを助けるために、他のお店で買うよりも100〜200円ほど高めに設定されているのだとか。グッズ販売は店頭だけでなく、ネット上でも行われている。なんでも0.2秒で猫が夢中になって、ツタンカーメンにも変身できる「猫モグラたたき BOX」が人気とのこと。気・に・な・る。
また、新しい店舗を構える際などは、クラウドファンディングでも寄付を募っているということだ。
・様々なイベントで啓蒙活動
『ネコリパブリック』は、他にも様々なイベントを通じて、猫の啓蒙活動を行っている。例えば、ペットショップで犬や猫を購入するのではなく、シェルターなどから保護することや、野良猫に不妊・去勢手術を施す「TNR活動」なんかを呼びかけているのだ。
イベントは、「ネコヨガ」や「猫毛フェルトイベント」、「スマフォ写真講座」と楽しげなものばかりで、2015年9月6日には、ニャンコに囲まれて落語を聞く「東京ねこりぱ寄席」も予定されているぞ!
・2022年に「殺処分ゼロ」を達成するために!
そして特筆すべきは「2022年2月22日までに、日本の猫の殺処分をゼロ」にするという目標だろう。2013年度に日本全国で殺処分された猫の数は、9万9671匹。それをゼロにするだなんて難しいのでは……と思ってしまいそうだが、『ネコリパブリック』は怯むことなく「ゼロ」を目指す。
そのためには、猫の保護活動に対する認識度のアップと、捨てられたり、保健所に持ち込まれる猫の頭数のダウンが不可欠。ということで、より多くの『ネコリパブリック』店鋪の出店が計画されているという。今回お話を伺った東京お茶の水店店長の徳永さんによると、日本全国の都道府県、そして東京23区全てでの出店が考えられており、現在もいくつかの地域で出店準備が進められているということだ。
・「やらない善より やる偽善」
そんな『ネコリパブリック』を応援するには、お店を訪れたり、グッズを購入したり、イベントに参加したり、猫の里親さんになったり……といった方法の他にも、“ボランティアとして直接お手伝いする” という手もあるようだ。
現在は、猫の譲渡や通院のために車を出す「運搬ボランティア」(1カ月に1日でも OK )や、「猫の預かりボランティア」、フリマやイベントなどのお手伝いをする「イベントボランティア」など、様々なポジションが募集されている。余談だが「やらない善より やる偽善」という、なんだか勇気づけられる言葉が書かれたニャンコ Tシャツが、『ネコリパブリック』で販売されているらしいぞ!
さて今回、ロケットニュースが『ネコリパブリック 東京お茶の水店』を訪れたのは、お昼過ぎだったので、ほとんどの猫がお昼寝中だった。もしも猫ともっと活発に遊びたい人は、午後5時以降を狙った方がいいかもしれない。
自分のためにも、猫のためにも、こりゃあお店に行かなければ! 今後も「お仕事スペース」の開設や「映画上映」なんかも計画されていたりと、まだまだ進化し続ける『ネコリパブリック』。あなたの町にも『ネコリパブリック』がオープンする日も近いかもしれないし、こりゃあ目が離せないぞ!
・今回ご紹介したお店の詳細データ
店名 ネコリパブリック 東京お茶の水店
住所 東京都文京区湯島3-1-9 CRANEビル4階
時間 平日: 15:00 – 21:00 土日祝: 11:00 – 21:00
休日 月・木(祝日の場合、翌日が休日)
参照元:ネコリパブリック、Facebook、環境省ホームページ、楽天
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.
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▼可愛い看板がお出迎え
▼スヤスヤとお休み中
▼落ち着いた雰囲気
▼人間と猫がシェア出来る食べ物「猫飯」なる物を発見! 気にな〜る!!
▼ベーグルもあるよ
▼お気に入りの場所?
▼いいお顔
▼一体どんな子と会えるのかな?
▼東京お茶の水店店長の徳永さんからメッセージ動画!
▼こちらも動画。お店の様子はこんな感じだよ!!