立秋も過ぎ、そろそろ夏も終わり。この夏はみなさんにとってどんな夏だっただろうか。夏を語る上で切っても切れないものの一つに「セミ」があると思う。セミの鳴き声は夏を演出する効果音の中でもバツグンのパフォーマンスを発揮していると思う。

そして最近では「セミを食べた」なんていうブログ記事やツイートを目にすることが多くなった。セミを食べる習慣がある場所だったり、ネタとして食べている人や食糧難に備えてなどなどさまざまな理由があると思う。

だがそれは日本での話。お隣の国、中国では普通に食品として流通しているのだ。「飛ぶものは飛行機以外、泳ぐものは潜水艦以外、四つ足は机と椅子以外なんでも食べる」なんて言葉があるが、セミも例外ではない。食品として流通しているセミを食べてみよう!

・中国のネット通販でポチる

中国のネット通販である「taobao(淘宝網)」でセミを意味する中国語「知了」で調べてみると、セミのおもちゃや飾り物よりも大量の「食品としてのセミ」が出てきた。

かわいい女の子がセミを口にしている紹介画像なんてマニアにはたまらない出来だと思う。子どもが食べても安全ということをアピールしていると思いたい。

・セミを選ぶ

紹介画像を見ると「幼虫」か「成虫」か選べるようだ。セミ食は奥が深そうだ。そして多く見られたキーワードが「浙江省」だった。調べると浙江省にはセミの名産地として名高い地域があるらしく、その地名が付いたセミはさながらブランド品のようだった。夕張メロンや神戸牛といった類だと思っていただければわかりやすいと思う。

・「麗水」ブランドのセミを購入

「麗水」という地域のセミが品質が良いというあまり当てにならなさそうな掲示板の書き込みを発見したので、成虫50gを購入。

価格は当時のレートで日本円に換算すると150円ぐらいだった。ローカルな食堂でごはんとおかずが食べられる金額なので、まあまあの値段だ。

・袋を開けてすぐに食べられるスナック感覚

袋には「開けてすぐ食べられるよ!」的な文言が書いてあり、中国人はセミをスナック感覚で食べているんだなあと思うとほほえましい気分になった。

後から聞いた話だと、炒め物に使ったりもするそうだ。駐在員が食事に招待されて、「この地元でこの季節しか食べられない特産品です!」と出てきたものがセミの炒め物だったという話も聞いたので、中国人にとって特別な食材なのかもしれない。

・中華な味付け

このお取り寄せのセミは黄酒、醤油、唐辛子、生姜、ニンニクなどで味付けをしたものだった。

中国で「ニオイが強いもの」や「若干危険な食材」のときによく用いる味付けだ。セミがどちらに当てはまるかわからないが、昆虫なので後者の気がする。

・食べてみた

さっそく口に運んでみると、唐辛子を多く使っているためかピリ辛だった。セミ特有の臭みなどを消しているのだろうが、これではセミでもなんでも同じ味になってしまうのではないかと思い少し残念になった。

イナゴの佃煮を唐辛子で炒めたらこんな味になると思う。味はさておきビジュアル。一目で昆虫だとわかるもので「虫を食べる」ことを目で楽しむのだろう。セミという「夏」を食べることに意味があるのではないかと思った。

taobaoでは一年中買えるので、興味がある方は代理購入などを使って購入するのも良いと思う。ただし自己責任で……。

参照元:淘宝網「知了
Report:ポンコツ [JP]
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

▼野生知了(野生のセミ)

▼食用方法:開袋即食

▼開けると銀色のパックが出てきた

▼袋の上からでもわかる昆虫感

▼中身

▼いただきます

[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]