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2015年3月19日、「Mr.200%」ことプロレスラー『安生洋二』がついに引退する。同日は自らがリーダーを務める3人組ユニット、「ゴールデンカップス」の高山善廣・山本喧一とタッグを組み、船木誠勝・鈴木みのる・菊田早苗組と対戦する予定だ。

安生洋二……。強さと脆さ・幻想と現実・シリアスとユーモラスを兼ね備えた、ある意味最もプロレスラーらしいプロレスラーである。そんな安生洋二の試合がYouTube上にアップされているので、彼の軌跡を辿りつつご紹介したい。

・「安生はガチ」伝説

安生のキャリアは、当時絶大な人気を誇ったUWFでスタートしている。前田日明・高田伸彦・藤原喜明・船木誠勝など、そうそうたるメンバーが揃う中、安生の名を一躍有名にしたのが1989年東京ドームで行われた、チャンプア・ゲッソンリットとの異種格闘技戦である。

当時ムエタイ界最強と呼ばれたチャンプアと引き分けた安生に、ファンの間では「安生はガチ」と幻想が広がった。1994年、単身グレイシー道場に殴り込み、ヒクソン・グレーシーに返り討ちにされた際、「あの安生が……!」と衝撃を受けたファンは多かったことだろう。

・プロレスラーとしての才能

その後、新日本プロレスとUWFインターナショナルの対抗戦でプロレスラーとしての才能を開花させ、自身が設立したキングダムや、プロレスイベント・ハッスルで活躍した。かの有名な長州力の「キレてないですよ」(正確には「キレちゃいないよ」)を、引き出したのも安生である。

そんな安生はガチでもマジで強かったとされるが、個人的にはプロレスラーとしての才能の方がより稀有であったと思う。試合運びの巧みさはもちろんのこと、技を受けるタイミングは抜群。さらには表情一つで観客をヒートアップさせる術を持っており、安生の試合にハズレはなかった。

ファンは憎たらしい安生に狂ったようなブーイングを浴びせ続けながらも、彼の強さや巧さ、何より「プロレスラー・安生洋二」の才能を認めていた。故・冬木弘道と並び日本プロレス史に名を残す、「愛され憎まれ系ヒールレスラー」と言えるだろう。

・2015年3.19(サンテンイチキュー)に引退

今回ご紹介する動画は、UWFインターナショナル時代、新日本プロレスとの対抗戦のもの2本である。どちらの試合もリングをコントロールしているのは紛れもなく安生であり、彼がいかに試合巧者であったかがわかるものとなっている。

冒頭で述べたように、2015年3月19日に引退興行を開催する安生洋二。文字通り波乱万丈であった彼の最後の大舞台が気になる人は、公式Facebookをチェックすべし! 最後のゴールデンカップス、最後のMr.200%、最後の安生洋二を見届けろ!!

参照元:YouTube安生洋二引退興行公式Facebook
執筆:P.K.サンジュン

▼1996年3月1日の日本武道館大会、高山と組み、山崎一夫・飯塚孝之組と対戦した試合。

▼1996年3月23日、山本と組み小林邦明・野上彰組と対戦した試合。

▼引退興行の記者会見の模様だ。