
海外ドラマにハマる理由は人それぞれだと思うが、やはり自分が日常で経験できないような出来事を、ハラハラドキドキしながら見るのが楽しいのではないかと思う。
なので、品行方正な化学教師ウォルター・ホワイトが麻薬の精製に手を染めるうちに、徐々に悪の世界に染まっていく様子を描いた『ブレイキング・バッド』は、まさに日常とはかけ離れた設定だ。だが、そんなストーリーのなかでも “あるある!” と共感したくなる人間関係が存在する。
それが、ウォルターが夜バイトしていた洗車屋のオーナー、ボグダンへの憎々しい気持ちである。誰でもそれなりの長さの人生を生きていれば、どうにも気に食わない上司と出会ったことがあるのではないだろうか。そこで今回は、ボサボサのまゆ毛がスゴかったボグダン・ウォリネッツ役を演じた、マリウス・スタンの素顔に迫ってみることにした。
・ルーマニア出身で正真正銘の化学者
マリウスという名前を聞くと、ヴィクトル・ユーゴーの大河小説『レ・ミゼラブル』に登場する青年マリウスを連想してしまう。なんとも響きのイイ名前を持つ彼は、ルーマニア出身で49歳の時にアメリカへ移住。そしてウォルターと同じく、本業は正真正銘の化学者なのである!!
ウォルターは生まれてくる第二子のために、家計の足しにしようと洗車屋のバイトを掛け持ちしているわけだが、ボグダンにコキ使われて彼のことを毛嫌いしている。教師のプライドを垣間見せるウォルターをボグダンも気に食わない様子で、実際に化学者であるマリウスが洗車屋のオーナーを演じるとは、偶然とは思えない因縁を感じる。
マリウスの経歴を知った本作のキャスティングチームが、意図的に彼を洗車屋のオーナー役に抜擢したのか聞いてみたいところだ。
・エキストラのオーディションがきっかけで役をゲット!
では、なぜ化学者のマリウスが『ブレイキング・バッド』に出演することになったのか、経緯を紹介したい。当時、本作のロケ地であるニューメキシコ州に住んでいたマリウスが、本作のパイロット版撮影エキストラの募集を耳にしたのがきっかけだった。
彼の息子と娘がオーディションに行きたがったので、アルバカーキまで出向いたところ、家族全員が合格!! そして、ボグダン役でセリフを与えられたマリウスは、シリーズが進むにつれて出演回数が増えていったのだそうだ。
・あだ名は、やっぱり “まゆ毛”
今まで演技経験がなかった点は、殺し屋ブラザーズの片割れレオネル役を演じたダニエル・モンカダと同じだ。彼は、ソックリな兄弟ルイスと一緒にオーディションを受けて合格したのだが、見た目のインパクトで彼が選ばれたのなら、マリウスも同じかもしれない。
なんといっても彼のトレードマークは、あのボッサボサのまゆ毛だ。本シリーズでも、ウォルターと妻スカイラーから “まゆ毛” とあだ名で呼ばれていたが、もしかしたらマリウスがボグダン役をゲットできたのは、ボーボーまゆ毛のおかげかもしれない。
・専門の化学者がコンサルタントとしてアドバイス
本作は、ウォルターが化学の知識をフル稼働させて、高純度ドラッグ、メタンフェタミンを精製するだけに化学ネタが満載だ。よって、「化学者のマリウスが、コンサルタントとしてアドバイスしたこともあるのでは?」と思いきや、専門の化学アドバイザーが別に雇われていたそう。
ちなみに、メタンフェタミン精製方法を視聴者が真似しないように、精製過程は一部が省略されている。
また、幼い頃から文学に夢中だったマリウスは、2013年に本国ルーマニアで詩集を出版。そして、2014年には英語翻訳版も出版されており、化学者にして俳優、詩人として多岐にわたる活躍ぶりを見せている。
参照元:IMDb、elsevier connect(英語)
執筆:Nekolas
イラスト: マミヤ狂四郎
▼ぬりえもあるよ!
Nekolas

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