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暦のうえでは「雨水」を迎え、これから次第に寒さが和らぎ、春の気配を感じ始めることになる。皆さんは冬を存分に満喫しただろうか? 一日も早く暖かくなって欲しいところだが、私(佐藤)にはまだ冬にやり残したことがある。

それは、客室が氷でできたアイスホテルに行くことだ。北海道・当別町にはチョコレートの製造・販売で有名なロイズのアイスヒルズホテルがあるという。春を迎える前にぜひ行ってみたいということで、実際にアイスヒルズホテル滞在体験をしたきたぞ! 想像通りの幻想的な空間に、感動しっぱなしだった~ッ!!

・ふたつの予約方法

アイスヒルズホテルに滞在するためには、事前に予約をしなければならない。予約方法はふたつある。まずひとつが、公式ページでホテルの運営を行っている「クロスホテル札幌」に予約する方法。そしてもうひとつが、現地へと送り届けてくれる貸切タクシー観光サービス「MIDトラベル」で予約する方法だ。

クロスホテル札幌で予約する場合は、アイスヒルズホテルへの滞在とは別に、もう1日クロスホテル札幌に宿泊する必要がある。私はアイスヒルズホテル1泊で十分だったので、MIDトラベルで予約したのだ。

・MIDトラベルの価格(平日、一部期間を除く)

4名で参加の場合1人につき 1万8500円
3名で参加の場合1人につき 2万0000円
2名で参加の場合1人につき 2万3000円

・1人でも予約できた!

私が滞在するにあって、事前にひとつ問題があった。それは滞在の最低遂行人数が2名からだったこと。1人で行く予定だったため、予約を受け付けてくれるか心配だったため、念のため両方に問い合わせをしたところ、2名分の滞在料金を支払えば問題ないとわかった。

ちなみにMIDトラベルでは、私が滞在を希望した日の料金が1人2万3000円だった。つまり4万6000円必要なところだったが、朝食が1名分であったため、3000円値引いてくれた。

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・夜8時に待ち合わせ

さて、諸々の段取りがつき、羽田空港から新千歳空港へとフライト。前日まで悪天候だったのだが、私が搭乗する日は好天に恵まれた。北海道の天候も比較的よく、まるでアイスヒルズホテルに歓迎されているような気さえした。

難なく到着したものの、そのまますんなりホテルへと行ける訳ではなかった。というのも、ハイヤーで札幌駅から出発する時間は、夜の8時。ホテルに滞在できるのは、夜から朝までの約15時間である。

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・本当に合流できるか不安……

ハイヤーの待ち合わせ場所は、札幌駅北口を出てすぐにあるサンクス。ここで不意に不安な気持ちになった。というのは、予約があまりにもすんなり取れたうえに、待ち合わせのための詳細なやり取りをしていなかったからだ。私の身体的な特徴を伝えなかったけど良かったのか? 到着する車のドライバーはどんな人なのだろうか? 

お互い手がかりがないのに、きちんと発見できるのかが気になったのだ。料金はドライバーに渡すことになっていたので、何かがあってもし出会えなくても損しないのだが……。マジで合流できるのか!?

・無事に発見してもらった!

待ち合わせ時刻より少し早くいくと、そこには「MID」のネオンを掲げたハイヤーが止まっていた。幸いドライバーもすぐに私に気付き、「佐藤さんですか?」と声をかけてくれたのである。なんだ、ナンも問題なかった。ホッと一安心。こうして、いざ、アイスヒルズホテルへと向かうことになった。

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・石狩川を越えると突然雪深くなった

目的地までは約1時間。道中、ドライバーの方といろいろな世間話をしながら、車は市街地を離れていく。進むに連れて、街の明かりはどんどん遠ざかり、石狩川を越えた辺りから突然雪深くなってかなり驚いた。札幌駅周辺はほとんど雪がないというのに、道路脇にはうず高く雪が積み上げられ、壁のようになっているではないか。さすが北海道である。

ドライバーの話では、アイスヒルズホテルがある辺りは吹雪が激しい場所で、日本海からの海風が猛烈に吹き荒れる場所なのだとか。

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・極寒に耐えかねても大丈夫!

程なくアイスヒルズホテルに到着した。たどり着いてまず私が安心したのは、客室の近くに管理事務所のような建物があったことだ。極寒に耐えかねた場合、どうしたら良いのかわからなかったので、一安心。実際、体調を崩した場合などには、事務所の建物に退避することもできると説明を受けた。この事務所には、数人のスタッフが常時滞在しており、24時間対応してくれる。

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・夢幻の世界

ようやく氷で出来た客室とご対面! 滞在できる部屋はA・B・Cの3棟ある。普段は他の滞在客がおり、いずれかが埋まっているのだが、この日は私しかいなかった。たったひとりのため、どの棟に泊まっても良いとのことなので、C棟に滞在することにした。

C棟は入り口が洞窟風になっており、室内は天井が高くて大変雰囲気が良かったのだ。氷板をらせん状に積み上げたオブジェも幻想的で素晴らしい。

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それにしても素晴らしい景色だ。漆黒の闇のなか、氷と雪に包まれた客室がライトに照らされて、一際その白さを浮き上がらせている。白と黒のコントラストが織り成す色彩のない世界は、到底この世のものとは思えない。夢や幻で見るような世界が、今、自分の目の前にあることに驚くばかりだ。

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・天然の冷蔵庫

3つの棟、実は面積が同じ。部屋の中央にはベッドがあり、ベッドの中央には分厚い白熊のラグが敷かれている。これが大変ふんわりとしていて、寝心地が良い。しかし暖かいわけではない。冷気を遮断しているにすぎない。

ベッドサイドにはスイッチがあり、これで部屋の照明を切ることができる。ほかには何もない。天然の冷蔵庫と言ったところか。ちなみに室内は飲食禁止である。

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・超ぜい沢な環境で酒を飲む!

3つの棟とは別にアイスバーがある。こちらでのドリンクチケット2枚がプランに含まれているので、早速飲むことにした。アイスバーは中央にブロック状の氷を積み上げたバーカウンターがあり、ブルーのライトで照らされる様子がとても美しかった。こんな環境で酒を飲めること自体が、ぜい沢といって良いだろう。

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・ウォッカスライダーとアイスグラス

しかも、スタッフの皆さんがめちゃくちゃ気さく! 滞在者は私しかいないのに、スタッフの皆さんがたったひとりの私を大変もてなしてくれたのだ。そのおかげで、私は調子に乗って少々飲みすぎた……。

ウォッカを直に流す氷の滑り台「ウォッカスライダー」でウォッカを飲み、特製のアイスグラスでキンキンに冷えたジンを飲み、さらにビールまで飲んで超ゴキゲン! まさかこんなところで、ハイになるまで飲むことになろうとは……。

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・酔ってぐっすり

実はそのおかげで、就寝時に身体がポカポカ。かなり上等な寝袋が用意されていたようで、そこまで寒さを感じることなく眠りに落ち、朝まで目を覚ますことはなかった。起床時は肌寒さを感じたものの、耐えられないというほどではなかったのである。

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・3月15日までだぞ!

朝食に用意されたコーヒーが大変おいしかった。寒さのなかでは、温かいものが何よりのぜい沢だ。空気が澄んでいるためか、コーヒーの香りを普段よりも強く感じることができた。そして工場でしか販売していないというロイズのパンも絶品。こんなに朝食がおいしいと感じられる朝は、なかなかないと思う。

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ちなみにこのアイスヒルズホテルは、2015年3月15日までである。この冬体感しなければ、次はまた来年になる。今のうちに存分に冬を味わおう。詳細なレポートは次のページへGO!

参照元:MIDトラベル
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.

▼アイスヒルズホテルにたどり着くまでのドキュメント動画

▼アイスバーで大はしゃぎしている動画