掘り出し物を見つけるために、ローカルなお店を探索するのが趣味の方も多いだろう。ゆっくりとした時間のなか、腰を据えて店主と会話することも楽しみの一つだと思う。そんなコミュニケーションを重ねていると、いつしか店主が「イチオシの一品」を出してくることもある。だがしかし……
中国・上海にあったローカルなゲーム屋で店主から薦められた一品は、日本語で名前が書かれたスーファミソフトだった。
・中国にもゲーム屋はある
中国は「専門店を密集させた」ショッピングエリアというか市場が多いのだが、ローカルな場所には個人店が存在している。
明らかに任天堂の許可を取らずに堂々とマリオを印刷してしまった看板……を掲げているゲーム屋の名前は「遊人電玩」。こういう店のほとんどは、“やる気ゼロの店主” が切り盛りしているのだが、この店は違った。
こちらが日本人だとわかると、カモを見つけた喜びからか、いろいろな商品を薦めてくれた。中でも「このソフトは日本製で、質もいい。中国のコピーとは違う!」と胸を張って薦めてくれたソフトがあった。それがスーパーファミコンの「スーパードンキーコング2」だ。
スーパードンキーコング2には「たかひろ」とマジックで名前が書いてあった。特にレアでもないソフトに書かれた名前は汚れでしかない。しかし、店主はこう言い放った。
「日本語が書かれているから、日本から輸入した純正品だ」と──。
そう、彼らにとって「たかひろ」は “何が書いてあるかはわからないが、おそらく日本語なので、日本製だとアピールできるポイント” だったのだ!
しかし、筆者が探していたのはアジアオリジナルソフト。日本の特にレアでもないソフトは中国でわざわざ買うものではない。店主に「他のものはないの?」と聞くと、「どうして食いつかないんだ」というような表情をされた。
この「たかひろドンキーコング2」が、現地駐在員の家族が残したソフトなのか、日本から大量購入した中に紛れていたのかは定かではない。
ただ一つ言えることは、「たかひろ君のソフトは、中国で店主イチオシとしてショーケースの中に入れられていた」ということだけだ。たかひろ君。キミは中国の内需拡大に影響を与えていたことを誇りに思って欲しい!
Report:麟閣
Photo:RocketNews24.
▼ローカルエリアにあったゲーム屋
▼ショーケースの中は乱雑
▼レトロゲームが充実していた
▼PS2やXboxはファイルから選ぶシステム
▼イチオシの商品なのに適当に積んである
▼中国に渡った「たかひろ」君のソフト