通販やネットオークションでファミコンカセットを買ったことがある人は多いだろう。「買ったカセットが届いたときに破損していた」と聞くと、どんな状態を想像するだろうか。ひび割れや、欠けを想像するかもしれない。だがしかし……!
筆者が中国のネット通販で買ったカセットは、そんなレベルでは済まなかったのだ。
・ネット通販最大手のタオバオ
中国のネット通販といえば「タオバオ」。日本で言えば楽天のようなインターネットショッピングモールだ。ありとあらゆるものが買えるとあって、老若男女が利用している。家にいながら中国全土の店で買い物が出来るのだ。
・タオバオでファミコンカセットを買う理由
筆者は “中国のファミコンカセットを買うために中国に移住した” という残念な過去を持つ。以前は地方都市に探索に行っていたのだが、そこは広大な中国。小さい店舗の情報などは、ほとんどない。探索に行く時間もなくなり、中国に行った意味を真剣に考えるようになったころ、タオバオでファミコンカセットが買えることがわかり即購入した。
上海にいながら、新疆ウイグル自治区の店舗が出品しているファミコンカセットを買ったりと、幸せな日々を過ごしていた。
・配送業者に問題が出てきた
モノを買うようになって気づいたことがあった。それは「配送業者のクオリティが低い」ということであった。荷物を投げるのは当たり前。箱に足跡がついていたり、箱が焦げていたこともあった。でも中身が無事だったため、特に気にすることはなかった。そう、あの日までは……。
・届いたカセットが粉々になっていた
それは広東省の業者から購入した10元(当時のレートで約150円)のファミコンカセットだった。送料は10元。探していたカセットで、その店に1本しかなかったカセットだったので、届いた瞬間にウキウキで箱を開けたところ、中から出てきたのは「ファミコンカセットだった物体」だったのだ。
包装はなんともなかったので、何が起きたのか信じられなかった。目の前にあるものは、一部分が粉々になったプラスチックのゴミ。何をどうすれば中身だけがこのように壊れるのだろうか。奇術の一種なのだろうか。
・中国製の安物は壊れやすいということを実証
確かに日本のカセットと違って、プラスチックがもろい作りである事は認める。でも粉々になって届くなんて日本ではありえないことだろう。
すぐに店舗に報告すると、配送業者の問題なのでどうすることも出来ないという答えが返ってきた。店舗曰く「そういうクレームは多いが、ウチのせいじゃない」ときて、「もうちょっと高い配送業者を使えば安全だ」というアドバイスまでしてくれた。
しかし配送業者を替えたところで、運ぶ人間の民度までは選べない。「運」が大事ということだった。
・さらに中身も違った
傷心状態で剥き出しの基盤をファミコン本体に挿したところ、動作したのは動作したが、中身がまったく違うカセットだった。
これは明らかに店側の責任なのだが、ここまで中国の洗礼を浴び続けると問いただす気力にもならず、泣き寝入りを決め込むことにした。みなさんもタオバオで物を買うときは、別料金を払ってでも梱包と配送業者を指定することをオススメする。
Report:麟閣
Photo:RocketNews24.
▼粉々になったカセット
▼基盤も剥き出し
▼別の店舗の商品も粉々
▼プチプチに包んであっても粉々になる中国の配送クオリティ