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2014年夏、世界中のパンダ好きが注目した「パンダの出産生中継」。世界最大のパンダ研究センターである中国・四川省「成都パンダ基地」から48時間連続で生中継され、運が良ければ出産の瞬間を見られるという画期的な試みであった。

その主役のひとりに、和歌山アドベンチャーワールド出身の「愛浜(アイヒン)」も含まれていたが、愛浜は妊娠していなかったことが判明! しかも、妊婦になると特別待遇を受けられることを知って、妊娠したフリをしていた可能性もあるというのだ!! 頭良すぎだろ……ッ!?

・7月、愛浜に妊娠の兆候

和歌山アドベンチャーワールド生まれの愛浜は今年6歳。2012年から繁殖のために、中国の「成都パンダ基地」に移っていた。

生放送プロジェクトを担当する『PANDAPIA』からのお知らせによると、愛浜は今年の3月にオスの勇勇(ヨンヨン)と交配。そして、7月には食欲不振、運動をしたがらない、体内の黄体ホルモン値も上昇するなど、妊娠の兆候が確認されたそうだ。

そこで、8月12日に行われた「出産生中継」の主役に選ばれ、世界が愛浜の元気な赤ちゃんを期待していた。

・妊娠していなかった!

……ところが! その愛浜が妊娠していなかったことが判明したのだ。7月に見られていた「妊娠の兆候」は全て見られなくなり、黄体ホルモン値も平常値に戻ったというのである。

・特別待遇を知って妊娠のフリ?

実は、成都パンダ基地では、妊娠したパンダにはエアコン付の個室が用意され、新鮮な竹に美味しいおやつ、そして24時間体制でのケアという特別待遇が与えられる。

研究員は、賢い愛浜は妊娠したら特別待遇になることを知っていて、妊娠したフリをしていたかもしれないと話しているそうだ。「食欲不振」や「運動をしたがらない」はわかるが、ホルモン値までコントロールできるものなの?

・パンダの想像妊娠はわりとあるらしい

パンダ基地動物管理部の専門家・呉孔菊さんによると、妊娠していないのに、妊娠の兆候が出る「想像妊娠」はパンダには比較的よく見られる現象であるそうだ。

想像妊娠の原因は不明とのことだが、実際の妊娠との区別は非常につきにくいそう。上述の通り、黄体ホルモン値は想像妊娠でも上昇するので決定的な決め手にはならず、また超音波検査も子宮内の赤ちゃんは小さすぎるため確実ではないという。

現状では、これらの科学的なアプローチと行動観察により妊娠したかどうかを判断するしかない。実際の出産予定日を過ぎるまで、本当に妊娠しているかどうか分からないこともあるそうだ。

・繁殖が難しいパンダ

繁殖可能なメスパンダの排卵は毎年春に一度きり、さらに発情期は1年に2~3日だ。順調に妊娠、出産したとしても、2匹以上産んだ場合、1匹しか育てないなど、パンダは繁殖が非常に難しい動物である。

愛浜の母親である「梅梅(メイメイ)」は、アドベンチャーワールドで7頭の子供を産み、立派に育てた子育て上手なお母さんだった。それだけに、今回の愛浜の妊娠にも期待が高まったのだが……。

残念ながら、今年は出産の可能性がないと見られる愛浜。残念な結果だったが、改めて愛浜の賢さとお茶目な面を知ることができたのかもしれない。呉孔菊さんはインタビュー動画で「きっと人間をからかっていたのだと思います」と、笑いながら話している。来年に期待である!

参照元:Twitter @pandapianewsアドベンチャーワールド科学人新浪教育Channel8 news(中国語)
執筆:沢井メグ

▼愛浜の “妊娠” について専門家の呉孔菊さんが説明

▼PANDAPIAでは、引き続き愛浜&成都のパンダの様子を届けてくれるそう


▼要チェックだ!


▼愛浜はキレイ好きの美人さん。来年に期待である


▼愛浜の記録動画集

▼こちらは2014年に生まれた双子の赤ちゃん「星語(シンユゥ)」と「星願(シンユエン)」だ、かわいい!