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皆さんは「モスキート音」を聞いたことがあるだろうか? これは高周波数の音のことで、蚊が飛んでいるときの音のような不快なものであることから、この名前がつけられている。年齢を重ねるごとに高い音が聞こえにくくなることを利用して、深夜に若者がたむろする場所に機械を設置するという取り組みを行っているところもある。

記者(私)はオッサンなので、この先の人生でモスキート音を聞くこともなく、慎ましやかな一生の幕を閉じると思っていた。ところが最近、これに類する音を聞いたのである。その場所とは、なんと東京駅に隣接する商業施設だった。その音があまりに不快であったため、1秒たりともここに留まることができないと思い足早に立ち去った。なんでこんなところで、そんな音がするのか? さっそく問い合わせてみた。

・日本郵政の商業施設

謎の高音が聞こえるのは、東京駅に隣接する2013年3月に開業した、JPタワーの地下の「KITTE」である。ここは日本郵政が初めて作った商業施設だ。東京メトロ丸の内線東京駅のすぐそばに地下入口があり、非常にアクセスしやすい場所である。

・入口に近づくについれて不快感が増す

駅改札から歩いて入口に向かっていくと、何か妙な感覚に見舞われる。私はしばらく何が原因で妙な感覚に陥っているのか気づかなかったのだが、しばらくして不快な音が耳につくことを察した。もしかしたら、これがモスキート音なのだろうか?

・自分だけではなかった

耳障りな高音が、その周囲一体に広がっているのである。「キーーーーン!」という耳の奥を刺激する音が絶え間なく鳴っており、とにかくここには居たくないと思って、急いで施設内に入った。もしかしたら気のせいなのかな? と思ったのだが、帰るときに同じ場所を通ると、やはり音がしている。ネット上で調べると、同じように感じている人が大勢いることが判明した。

・KITTEの音についての反応

「KITTE丸の内の玄関いつもモスキート音が鳴ってて気持ち悪くなる」
「KITTEの入り口のモスキート音が強過ぎて頭痛するくらいだった」
「さっき、KITTEの入口のところで…モスキート音が聞こえました!」
「KITTEの入口やら東京駅〜大手町構内でピピピというかキキキというか変な音が聞こえた」
「地下入口はモスキート音が出てて耳がキーンとなります」
「KITTEもそうだけど、入り口のモスキート音が気になりました」

・目的はナニ?

この音を聞いている人は少なくない。不快感を示す一方で、私と同じように年齢的に聞くことはないだろうと思っていた音を確認でき、喜んでいる人もいる。問題は年齢ではなく、なぜ音を出しているのかということだ。気になるのでKITTEに問い合わせてみた。すると、こんな答えが返ってきた。

担当者「ネズミ避けのために、音を流しています」

たしかにあの界隈は飲食店が多く、ネズミが巣食っていると思われる。ネズミを寄せ付けないために、音を出しているとのことだ。

事情はわかったのだが、あの音は本当に不快だ。商業施設なのに、人を寄せ付けなくなってしまわないだろうか心配になる。ちなみにこれは一般に知られるモスキート音ではないのかもしれない。なぜなら、年齢を問わず聞こえるものだからだ。いずれにせよ、入口にこれがあると施設内の店舗にはデメリットがあるように思うのだが……。

Report: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24