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最近、「電気自動車(EV)」や、電気でもガソリンでも走れる「プラグインハイブリッドカー(PHV、PHEV)」の普及が進んでいる。それに伴い、ユーザーたちのあいだで少しトラブルが起きているようだ。それは30分から1時間程度で約80% まで自動車へ給電できる『急速充電器』の使用について。

日産自動車のディーラーには24時間無償で利用可能な急速充電器が置いてある店が多い。そこを「他メーカーの電気自動車が使用していることは泥棒である」という声が日産の電気自動車『リーフ』のオーナーのブログや、インターネット掲示板に書き込まれているのだ。

・アウトランダーPHEV の利用が多い?

特に指摘されているのは、三菱自動車の PHEV カー『アウトランダーPHEV』での使用。こちらはリーフのように電気100%ではなくガソリンでも走ることができる車だ。

リーフのオーナーは月々1500円のZESPサポート会員にも入会しており、そこから充電の費用もまかなかわれているという。なので、彼らが他メーカーの電気自動車が充電に来ることを不満に思うのも理解できる。

・本当に泥棒になるのか

そのため、「三菱のアウトランダーPHEV を、わざわざ日産のディーラーで充電するのは窃盗行為であり、犯罪だ」とする人もいるのだが、果たして本当に泥棒になってしまうのだろうか? 記者(私)もアウトランダーPHEV に乗ることが多く、旅行先などで時間が空いていたら日産のディーラーで充電することもあった。

その時は日産のディーラーの方は普通に使わせてくれたので、泥棒にならないとは信じたいのだが……それでも心配なので本当に泥棒にならないのか確かめるべく、日産自動車のグローバル本社へ行き、急速充電をすることにした。ココでは警備員もいるし、もしアウトランダーPHEV での充電が犯罪行為なのであれば、その場で捕まってしまうだろう。

・日産は神

ドキドキしながら横浜の日産グローバル本社へアウトランダーPHEV で乗り込み、その場にいた担当者に「じゅ、充電しても大丈夫っすか?」と聞くと、快く「大丈夫ですよー! めったにアウトランダーPHEV で来る人はいないですが(笑)」と即答してくれた。どうやら泥棒にはならないようである。

日産の神対応に感謝しつつ、ショールーム内で売っているお菓子を購入し帰ることにした。とりあえず日産の本社やディーラーで充電しても犯罪行為にはならないことが確かめられたが、100%電気自動車のリーフで電欠してしまうと、ガソリンでも走れる車に比べ、その場で燃料を補給するのが難しいため、大変なことになってしまうのも事実。リーフが後ろで待っていたら、譲ってあげたほうが良いだろう。

・自動車会社4社で電気自動車普及のための新会社設立

ちなみに、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、三菱自動車の4社が、2014年5月26日付けで電気自動車普及のための新会社「日本充電サービス」を設立した。それにより各自動車メーカーで充電器の設置に補助金を出したり、充電カードの統一も行われるようだ。このようなトラブルも少なくなるのではないだろうか。

今年中にも全国の充電器を現在の約2倍である1万2000台に増やすという。電気自動車やPHV、PHEVオーナーにとっては朗報である。今後も各自動車メーカーで協力し、エコカーの普及に努力してほしいものである。

Report:なかの
Photo:Rocketnews24.

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