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急速充電が可能、電気だけで走れてガソリンも使える。ラゲッジも広々でアウトドアにも最適なプラグインハイブリッドカーといえば『アウトランダーPHEV』だ。

新モデルも登場し、最近は高知県に移住されたプロブロガーのイケダハヤトさんもアウトランダーPHEVを購入。これからさらにアウトランダーPHEVが普及しそうである。

――だが、残念なお知らせもある。イケダさんはご自身のブログでアウトランダーPHEVについてかなり期待を持たれているようだが、現実はそんなに素晴らしいものではない。

アウトランダーPHEVオーナーの筆者も購入前はイケダさんと同じような夢を持っていたのだが、良い部分もたくさんあるものの、やはり使ってみるとダメなところも多く分かってしまったのである。

おそらくイケダさんのブログを見てかなりワクテカしている人もいると思うので、今回はオーナー歴2年の筆者が「PHEVの理想と現実」をお教えしたいと思う。

・モバイルハウス&オフィスにはならない

イケダさんが期待されていることのひとつ「モバイルハウス&オフィスになる」というところは、残念ながら現実としては正直難しいと思う。

まず、エンジンをかけずにエアコンを使えるというところに期待されていた「電気温水式ヒーターオプション」だが、エアコンが必要なぐらい寒いときはだいたいエンジンがかかってしまうし、エアコンをつけた状態だと満充電で30kmぐらいしか走らないこともざらだ。

もちろん暖まったらエンジンは止まるが、100%エンジンを停止させてエアコンをつけられたことは、経験上あまりないのだ。ただ、高知は暖かいのでエンジンを止めてエアコンを使える頻度は筆者と比べてイケダさんのほうが多いかもしれない。

・寝るには不向き

また、車中泊に適しているとも書かれていたが、それも正直期待に応えられるか分からない。確かにラゲッジはムチャクチャ広くて荷物は大量に積めるが、2列目シートがリクライニングされないので寝るのには不向きなのだ。

完全にシートを倒せばなんとかなるが、それだと荷物を工夫して積まないといけないというやや微妙な状態になってしまう。寝るなら圧倒的にホンダのフィットシャトルやフリードスパイク、トヨタのアルファードのほうが快適である。

・そんなに運転性能は良くない

また、イケダさんは自動で速度を調整してくれる「レーダークルーズコントロール」も絶賛されていたが、それは他のもう少し安い価格帯のSUVやミニバンにも付いていることが多い。

さらに言うとこれはアウトランダーPHEVだけのことではないのだが、三菱自動車は純正カーナビの操作性が著しく悪い。

また、トヨタ車に比べてキーレスエントリーの反応が悪く、キーと一緒にスマホがポケットに入っていると鍵を閉めたり開けたりができなかったりする。正直コレはいつも出張先で借りるプリウスをマジで見習ってほしいところである。

ほかにもアウトランダーPHEVの車線逸脱警報システムは微妙な位置で鳴るのでたまにうるさかったりするし、衝突被害軽減システムの警報は遠くで反応するようにすると絶対に当たらないであろう状態でも鳴ったりするので、残念ながらイマイチと言わざるを得ない。

――以上が筆者が感じているアウトランダーPHEVの現実だが、静粛性や走りの性能に関しては大満足している。ちなみに私が「移動中にオフィスにもなって1人車中泊もできる車のおススメ」を聞かれたら、迷わずトヨタの『プロボックス』が良いと言っている。

しかし、筆者のように仕事で1日40km程度しか走らないに場合にはガソリンをまったく使わないので良いし、たまに遠出するときにはガソリンも使って数百キロ一気に走るという使い方をできるのはアウトランダーPHEVの醍醐味。

アウトランダーPHEVは都会に住んでいる人で、たまに遠出をする人には最適な車だと個人的に思っている。これからイケダさんがどのようにアウトランダーPHEVを高知県で使いこなされるかが非常に楽しみだ!

参考リンク:イケダハヤトさん公式ブログ
執筆:なかの
Photo:Rocketnews24.