
海外旅行に行く際に、とても参考になるのがダイヤモンド社の旅行ガイドブック『地球の歩き方』シリーズだ。熟練の旅人たちの中には「地球の迷い方だ」なんて揶揄する人もいるけれど、なんやかんやで参考になるし、読み物としても面白い。
そんな『地球の歩き方』シリーズの中でも、特に “内容が充実しまくり” と古くから評判なのが「インド編」であるが、「東アフリカ編」もなかなか強烈な内容になっている。同書に書かれている国は、ウガンダ、エチオピア、ケニア、タンザニアの4カ国なのだが、注意喚起っぷりがハンパないのだ。たとえばこうだ。
・自分だけは安全と思う人に
「『歩き方』は大げさに書いているとたかをくくっていて被害に遭わないでほしい。また、危険と書いてない所でも突然事件が起きることもあるので、常に警戒をゆるめないでほしい。」(201ページより引用)
ケニアの首都ナイロビの説明からして、いきなりこうだ。『歩き方』は大げさに書きすぎてんじゃねえの〜? という声に向かって、ハッキリと「アフリカをナメんな。ナイロビをナメんな」と宣言している。なかなか珍しいパターンだ。
・ドラッグの誘惑
また、ドラッグの誘惑に対しての注意喚起の内容も、なかなかすごいことになっている。たとえばケニアにおけるドラッグ注意喚起にはこう書いてある。
「車の中にマリファナを投げ入れられ、賄賂を要求される手口も増えているので、そういったたぐいのものには手を触れないこと。いったん手を触れると、指紋チェックで有罪という厳しさである。」(347ページより引用)
な、なんと! 走っているクルマの中に、悪い奴らが大麻を投げ入れ、もしもそれに気づいてバレーボールの要領で車内に入る直前に両手ブロックしたとしても、ベッタリ指紋がつくので有罪(3〜6カ月の禁錮刑)らしいのだ!! すごい、すごい、ケニアすごい!!
・ケニアだけでも、まだまだあるぞ!
その他にも、同書には我々の常識を超越した注意喚起が多数掲載されている。以下にケニアにおける注意喚起の一部を箇条書きで紹介したい。
「ナイロビの公園:ナイロビ市内の公園には決して立ち入ってはいけない。(中略)今まで何十人もの外国人旅行者がどこからともなく現れた集団強盗に襲われているためだ。」(201ページ)
「シティ・マーケット:マーケット内でもスリ、カッパライに気をつけること。また、写真を撮らない方が安全。」(202ページ)
「ナイロビ銀座:もしこのあたりを訪れるのなら単独ではなく、必ず複数、しかも現地の人といっしょに行ってほしい。カバンやバッグ、肩からさげたカメラなど何も持たずに行き、16:00までには現地からはタクシーを使って離れること。」(202ページ)
「ダウンタウン:ダウンタウンには生活の手段をもたない人も出没するため、いつ、どこで強盗、殺人事件が起こっても、まったく不思議ではない非常に危険な地帯だ。特に旅行者も在留邦人も絶対行ってはいけない。」(203ページ)
「ナイロビの歩き方:本来なら、町をいろいろ紹介し、歩いてもらいたいのだが、ナイロビの治安は悪化しているため、タウン中心部以外は昼間でも決して歩かないでほしい。」(199ページ)
「ナイロビのタクシーの選び方:なるべく新しい車種のタクシーに乗ることをすすめる。特に、無線タクシーならカージャックにも遭遇しにくいだろう。」(199ページ)
「バルーン・サファリ(気球):バルーン・サファリは観光客に人気が高いが、着地の事故も多い。(中略)事実、事故で亡くなったり下半身不随になった人もいる。」(34ページ)
「バルーン・サファリ(気球):時には風に流されタンザニア側に行ってしまうので、パスポートを持っていくと安心。」(42ページ)
「マサイ・マラ国立保護区:強盗団が出現し、日本人観光客が指を切られたことがあった(2005年)ので、車1台だけの少人数で行動することは避け、何台かの大人数で行動すること。」(35ページ)
「マサイ・マラ国立保護区:ゾウに限らず、ライオンやクロサイ、バッファローなどにもいえることだが、治安限界の範囲内に踏み込んだ場合は、攻撃してくることもある。(中略)サイ、バッファローは本物の攻撃をしてくる。」(36ページ)
「鉄道事故について:1971年12月には、列車とゾウが正面衝突し、運休した。」(48ページ)
「ケニア危険情報:マンデラ市にある NGO のメンバーがソマリアからのゲリラに誘拐された。」(351ページ)
……と、ケニアにおける注意喚起情報をいくつか羅列してみたが、これらはほんの一部である。『歩き方』が「歩いてもらいたいのだが」と言いつつ「昼間でも決して歩かないでほしい」と締めている記述は最高だ。
ケニアだけではなく、ウガンダ、エチオピア、タンザニアにおける注意喚起も、同書にはギッシリと詰まっている。アフリカ旅行に行く予定がない人でも、興味があるなら要チェック。読み物としても面白いはずだ。
参考サイト:『地球の歩き方』東アフリカ編
執筆:GO羽鳥
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼これがケニアのナイロビだ!
▼ナイロビ中心部は意外と都会
▼中心街を抜けるとこんな感じになる
▼気を抜いてはいけない
▼ナイロビ郊外
こちらもどうぞ → 「GO羽鳥の注意喚起コラム」シリーズ
GO羽鳥





【都市伝説】ケニアのタクシー運転手に怪談話を聞いたらケニアの幽霊「ナクルの赤い女」をイラスト付きで解説してくれた / カンバ通信:第11回
【ケニアふれあい街歩き】ナイロビの長距離バスターミナルでスリに狙われやすいのはこんな一瞬 / カンバ通信:第39回
ケニアで「1日タクシー貸し切り」したらいくらかかる? 日本人が1人でフラフラとナイロビ観光&買い物するのは危険?【カンバ通信】第301回
【写真集】ケニアのタクシー運転手が教える「アフリカ最大のスラム(キベラスラム)」の安全な歩き方 / カンバ通信:第22回
【お願い】ナイロビ在住ケニア人タクシードライバー・チャオス氏へのチャーター依頼について
鳥貴族の食べ飲み放題「トリキ晩餐会(税込3900円)」が思ってたより最高だった / 忘年会に最適だと思った2つの理由
【抽選結果速報】ケンタ福袋2026の抽選に編集部20人で応募してみた → さすがに泣いた
【狙うは3億8000万円】生成AIにロト6の過去全データを学習させ「理論的な予想」をしてもらった結果…
【中国渡航自粛】今なら「一蘭」に並ばず入れるのではないか? いつも中国人で大行列の新宿中央東口店に行ってみた結果…
ステーキ宮で「平日ランチ(980円〜)」がスタート / 牛ハラミじゅうじゅう焼きが危険なウマさ & グランプリ受賞コーンスープも飲み放題で最高!
中国「渡航自粛要請」から2週間が経った京都市内「祇園」「清水寺」「錦市場」の様子を見に行ってみた
【本日発売】「ローソンの福袋」(2160円)があまりにパンパンに詰まってて、持って帰るのちょっと恥ずい
中国の「渡航自粛勧告」から2週間、現在の「奈良公園」で目の当たりにした意外な光景
【中国渡航自粛】ガチ中華だらけの上野・アメ横に行ってみたら → 取材拒否の連続に…
【極論】焼肉って結局ウインナーが一番うまくないか? 「ウインナーだけ焼肉」やってみた結果 …
中国「渡航自粛勧告」から1週間経った、東京・浅草を見に行ってみた
【納得】ガストの「ジョブチューンで唯一不合格だった」メニューを食べてみた → 不合格にする気持ちがわかった
【検証】10年間ほぼ毎日飲んでる「コーヒー」を1週間断ってみたらこうだった
【は?】楽天で見つけた「在庫処分セール半額おせち」を買ってみた結果 → 届いた数日後にブチギレかけた
【雑草対策】カインズで598円「撒くだけで防草できる人工砂」の効果がヤバ過ぎた / お財布にも環境にも優しい超画期的アイテム
【検証】「スタバはどのサイズを頼んでも量は一緒」という動画が出回る → 実際に試してみた
【事故】楽天で買った『訳ありB級フルーツ福袋』を開封した翌日、妻から信じられないLINEが来た「メロンが…」
【紅茶の時間】ケニア紅茶の達人は “家での紅茶” をこう楽しむ / 調べたら成城石井でも売ってる高級品だった! カンバ通信:第403回
【カンバ通信】第1回:新型コロナの影響で仕事がゼロになったケニアのタクシー運転手「チャオス」がお届けするケニアの今
ケニア・ナイロビの現在の様子がこちらです。※マスク着用していなかったら逮捕されて罰金200ドルか禁固6カ月の刑 / カンバ通信:第19回
ほとんどのケニア人は住所を持っていない / 東アフリカ最大スラム「キベラスラム」のツアーガイドの仕事を始めたよ【カンバ通信:第409回】
ケニアのタクシー運転手が教える「ナイロビに来たら絶対に行ったほうが良い場所と、ケニア全体でのオススメスポット」 カンバ通信:第266回
【ヤバすぎ】なにげなく行った店が “絶対に行ってはいけないポテト屋さん” だった…。治安、味、すべてにおいて過去最悪 / カンバ通信:第386回
たった870円で首都ナイロビまで行く方法 / マサイ通信:第169回
「いったい何が起きたらこんな壊れ方するんだよ…ってトイレ」の所有者に、詳しく事情を聞いてみた / カンバ通信:第26回
ケニア観光名所案内「ナイバシャ湖」ってどんなとこ? プライベートツアーのお値段は…【カンバ通信:第410回】
ケニアの婚活事情と、既婚者と独身の争い、「女ひとりでのケニア旅行は大丈夫か」等【カンバ通信】第320回