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日々、我々の想像をはるかに超える不思議なことが起こる国・中国。先日、中国の動物園で “ライオン” が「ワンワン」と鳴いたそうだ。これには見に来ていたチビッコも混乱。よくよく見てみたところ、なんとライオンの檻で展示されていたのは犬だったのだ。

・動物園で “ライオン” が「ワン」と鳴く
アフリカライオンとして犬が展示されていたのは、河南省ラク河市(ラクはさんずいに “累”)にある動物園だ。この日、女性が息子を連れてこの動物園を訪れていた。女性は息子に、どの動物がどんな声で鳴くのかを教えながら園内を回っていたそうだ。

そしてライオンの檻の前に来たとき、息子は「ママの嘘つき!」と言い出したという。なんとライオンが「ワン」と鳴いたというのだ。小さな息子が言うことだ、最初、女性は信じられなかったが、確かにライオンの檻の中にいた動物は「ワンワン」と鳴いていた。

・犬だった
よく見ると、その動物は犬だった。顔のまわりにモフモフした たてがみ がついているが、どう見ても犬だった。この事態に女性は「犬をライオンとして展示するなんて! 客をもてあそぶにもほどがある!!」と怒り心頭。のちに、他の客の指摘により、この犬は「チベタン・マスティフ(チベット犬)」という種類ということがわかった。

・チベタン・マスティフとは
チベタン・マスティフとは、チベット高原を原産地とする大型犬だ。「東方神犬」という異名を持ち最強の犬とも言われる。

チベタン・マスティフは「虎型」と「獅子型」に分けられ、「獅子型」はライオンのようなたてがみがあるのが特徴だ。富裕層の間で人気の犬種で、1頭130万円~1億円以上で取引されることもあるという。

・狼やヒョウの檻にも別の動物
チベタン・マスティフは確かにライオンに似ている。しかし、これをライオンと偽って展示するのはあんまりである。なお、この動物園では狼の檻にも犬が、ヒョウの檻にはキツネのような謎の生物が、そして蛇の水槽にはネズミ科のヌートリアがいたという。

・動物園「ライオンがいなかったので」
この件について動物園側は「(別の動物が展示されていたのは)わざとではありません。資金不足というわけでもありません。一部の動物の “欠席” は偶然なのです」と話しているそうだ。

具体的に、「アフリカライオンは繁殖のために今動物園を空けています。檻は空っぽです。そこにスタッフの友人が出張で不在になったのですが、チベタン・マスティフは凶暴なので放置しておくことができません。そこで暫定的にこの檻に入れたのです。ライオンはすぐに戻る予定です」と、説明している。

どうやら、チベタン・マスティフを飼っている人物が出張で不在にするためその間、犬を預かり、たまたま空いていたライオンの檻に入れていた、ということのようだ。ほかの動物についても繁殖や暑さで動物がいなかったため他の動物を入れていたのだという。

・問題は動物の不在ではなく説明なく別の動物を展示していたこと
動物の繁殖や体調不良のために展示を中止するというのは、どこの動物園でも起こりうることだ。だが、仮にも入園料を徴収しているのだ。説明もなしにライオンやヒョウの檻に別の動物がいたら「騙された!」と、来園者が怒るのも当然である。

不在なら不在で説明が必要だと思われるが……来園者への説明責任に対し動物園のスタッフは「上の者に話します」としているそうだ。

参照元: 人民日報(中国語)
執筆:沢井メグ 

▼檻の前には「非洲獅(アフリカライオン)」と書かれているが……中にいるのは小型のチベタン・マスティフのようだ
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▼こちらはオオカミの檻
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▼こちらはヒョウの檻だ
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▼「獅子型」の大型チベタン・マスティフは確かにライオンにソックリであるが……

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