去る11月10日、中国雲南省の炭鉱で爆発事故が発生し34名が死亡、9名の行方不明者を出すという惨事となった。

行方不明者の救出活動と事故の調査が行われているなか、当日炭鉱労働者を率いて採掘作業をしていたはずの現場責任者が実際には炭鉱には入っていなかったことが判明。しかも事故発生後、顔に炭を塗りたくって、炭鉱に入っていたように偽装。責任逃れをしようとした疑いで現地公安局に拘束されていることがわかった。

事故が起きたのは雲南省の曲靖市だ。当日、現場の責任者だったのは戚谷明(せき こくめい)副炭鉱長。数々の炭鉱事故を受け昨年制定された法律では、炭鉱での作業には必ず現場責任者が同行する決まりとなっている。だが、労働者の証言によると事故当日は労働者のみで作業をしていたそうだ。

調査によると、爆発事故発生直後、ことの発覚を恐れた戚副炭鉱長は混乱にまぎれて炭鉱内に進入、中で顔に炭を塗り炭鉱から走って脱出、あたかも爆発事故から生還したかのように装ったらしい。事故現場の安全管理への責任逃れのためではないかとされている。

法律によると、責任者が同行しない場合、炭鉱労働者は作業を拒否することができるそうだ。だが、実際は一般労働者が作業中のみ「臨時責任者」に任命され、形式上法律を遵守しているように見せかけることが横行しているらしい。責任を労働者に押し付け監督としての旨味だけを吸うという悪質なケースである。

戚副炭鉱長は事故当日炭鉱内にいたように偽装したことについては認めたと報じられている。その他、現場では実際どのように安全管理がなされていたかは依然として調査中だ。なお、行方不明者については炭鉱内に溜まったガスの濃度が高く、捜索は困難を極めているという。

今回の事故は天災なのか、人災なのか。遺族の感情を考えると非常にいたたまれない。

参照元:Youku 彩雲之南、Youku 安徽衛生チャンネル

▼事故現場、現在も捜索が行われている
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