iPhoneやiPadは実にすばらしい機器である。容量が許す限り、膨大な数の画像を入れることができるうえ、動画まで楽しめる。ネット上にアップされている画像や動画にアクセスをし、いつでもどこでも観覧できる。自身のPC上に保存されている画像や動画をiPhoneやiPadに転送し、ネットの通じていない場所でも楽しめる。まさに紳士のための宝箱、夢のブラックホールといえるだろう。

ということで今回は、紳士がiPhoneやiPad(以下iPhoneに統一)を使う際に「気をつけるべきポイント」を7点ほどご紹介したいと思う。

その1.写真をたしなんだ後は、必ずホームである「アルバム」の階層まで戻っておく
iPhoneが夢の宝箱と呼ばれるゆえんは、画像観覧のしやすさである。自身で撮影した写真だけでなく、iTunesを介してPC上の画像フォルダを同期すれば、iPhone上でもフォルダ分けされた画像群を確認することができる。

例えば、珍しい動物の写真などをiPhoneで見たとき、そのまま「動物の写真(例・マンドリル)」が表示された状態でホームボタンを押し、ホームに戻るのは絶対にやめたほうが良いだろう。なぜなら通勤中の電車内などで、ふと家族の写真を確認しようと思った時。「写真」のアイコンを押したら「マンドリル」の画像がドドーンと表示されてしまうからである。これは本当に焦る。

写真を見終えたら、グッタリしていても、めんどくさくても、必ずホームである「アルバム」の階層まで戻る習慣を付けておくべきである。

その2.音量に細心の注意を払い、かつ、マナーモードを過信しない
iPhoneのすごいところは、動画がバリバリと見られる点だ。YouTubeはもちろんのこと、YouTube以外の動画サイトの動画もバリバリと再生できる。この時に注意したいのが音量である。特に直前にヘッドフォンなどを使用したりで、音量が「半分」くらいになっている時。さらに、本体横の「マナーモード」ボタンがONになっていても……動画の音はそのまま出ることがある。これは本当に焦る。

もしも電車内などで操作を誤り、大音量で動物の鳴き声などが鳴り響いてしまった……なんてことになったとしたら、恥(はじ)どころでは済まされない一大事である。マナーモードを過信しないことは無論、本体の音量もゼロ、さらに動画自体の音量もゼロからスタートさせることは、世界中の紳士の間では常識である。

その3.動画を見っぱなしにしない
夢への入り口、それがiPhoneに標準搭載されているブラウザ「Safari(サファリ)」である。その名のとおり、動物好きにとってはサファリパーク(動物園)の入り口といっても過言ではないのだが、動物動画を見終えたら必ず「完了」ボタンを押し、さらにタブもキチンと閉じておくことが重要である。でないと、電車内でなにげなくSafariを起動した時、前回に見た動物動画がそのままババーン!と表示されるからである(再生はされない)。遊んだら片付ける。子どもの頃を思い出し、やりっ放しのないようにしておきたい。

その4.焦らない
紳士は絶対に焦ってはならない。たとえ動物動画のサイトに行き、見たい動画があったとしても、すぐに視聴ボタンなどをタップしようとしてはならない。なぜならば、少しの間を置いてから、ニューッっと飛び出す広告が表示される時が多々あるからである。やっかいなのは、この飛び出す広告がドラゴンボールの筋斗雲(きんとうん)のようにユラユラと上下に揺れていたりする時である。「☓」ボタンが押しにくい。しかし紳士は精神統一し、ジャストのタイミングでそれを消す術を身につけている。焦ってはならない。紳士は冷静であれ。

その5.子どもに自由にいじくらせない
直感的な操作で誰でも扱えるのがiPhoneの魅力である。PCを触ったことのない人でも、たとえ幼稚園に通う子どもでも、さらに言えば言葉も覚えていない1歳児でも、起動時のロックを外し、アイコンを選び、好みのアプリを起動することは容易である。「1歳児はさすがにウソだろ」という声も聞こえてきそうだが、これはマジの話である。

しかしながら、紳士が使うiPhoneを、自由に子どもに触らせるのはご法度である。取引先の人に間違え電話をしてしまったり、重要な業務上のファイルをうっかり削除してしまったり、その危険は計り知れない。だがしかし、魅力的なゲームアプリや子供用アプリも山ほどリリースされているのがiPhoneだ。いじくりたい気持ちも分かるし、時には「いじくらせて退屈な時間を紛らわす」のにも便利なことは確かな事実。

そんな時のために、事前に「絶対に触ってはいけないアイコン」を愛する子どもに教え込んでおくのは親としての責任でもあり、躾(しつけ)でもあり、マナーでもある。絶対にいじくってはいけないアイコンは、主に「連絡先」と「電話」と「写真」とされている。特に「写真」アイコンは徹底して教え込まねばならないだろう。

その6.「写真」を管理するときの必勝テクをマスターしておく
写真は絶対に見られたくはない。そんな時に役立つのが、写真フォルダにロック(鍵)をかけるアプリなどであるが、イマイチめんどくさくて使っていない人も多いと聞く。「写真」アイコンをタップして、「アルバム」から任意のフォルダに移動する、そのスピード感もたしかに重要だ。

しかしながら、「アルバム」の階層に表示される画像フォルダのサムネイルに、かわいい動物の顔写真や、動物の体の部位のドアップなどが表示されていたら、人に見せられないばかりか、「写真」アイコンをタップした瞬間に恥ずかしい思いをしてしまう可能性もある。コツコツ築いた威厳と地位が、一気に崩れる恐れもある。ではどうすればいいのか? ちょっとしたテクニックを使えば良いのである。

その方法とは、画像フォルダの一番最初に表示される画像を、車なりバイクなり宇宙の写真なり、真面目な写真にしておけば良いのである。ファイル名を工夫するなどし、一番最初の写真、すなわちフォルダの「顔」を変えておくのが紳士のたしなみだ。

その7.風呂場で落とさない。ジップロックを活用する。
紳士はお風呂場でもiPhoneを離さない。メールチェックをしたり、思いついたことをメモしたり、ニュースをチェックしたり……と、ビジネスマンは何かと忙しい。かのソフトバンク社長である孫正義氏もお風呂iPhoneをしていると聞く。しかしながら、iPhoneは防水でもなければ防滴でもない。濡れたら一巻の終わりである。前述の孫正義氏も、かつてiPhone4をお風呂に落としたとTwitterで発言し、話題になったこともある。その後ドライヤーで乾燥し、見事復活を遂げたとのことだが、生身でiPhoneをお風呂で使うなど、紳士的には言語道断のふるまいだ。

お風呂iPhoneを心から愛する紳士ならば、ジップロック的なビニール袋での防水対策は必須である。できれば二重チャック、さらに分厚い素材のビニール袋が望ましいが、いわゆる商品名『ジップロック』の小サイズでも、やや薄すぎ感もあるが十分に対応できる。ジップロックの「小」を、スーパーやホームセンターで見かけたら、迷わず購入しておくことをオススメしたい。

以上7項目。長くなったが、紳士は日常の行動も、そしてiPhoneの使い方も、常にジェントリーであってほしい。
(文・写真=エンペラー目黒)