マレーシア・クアラルンプール滞在2日目。安ホテルのルーターが故障して、ネットができなくなってしまった!
「明日には直るよ!」と言われたが、なんの裏付けもない空約束を信じ、座して待つよりは……と、近場のネットカフェを探すことにした。
ホテルのあるチョーキット地区は、クアラルンプールの中でもとりわけ庶民的な下町。ぶっちゃけ、薄汚い煤けた街並みのひろがるエリアは、カンボジアに住んでいた私が引くくらい、路上生活者やねじの外れた怪しい人々が大勢うろついている。
そもそもクアラルンプールでは、他のアジアの国々と比べ、ネットカフェを見かける頻度が非常に少ない。
何でも、2003年頃から終夜営業のネットカフェでオンラインゲームにはまる若者が激増。それにともない家出や傷害、恐喝などの犯罪が増えたことから、深夜0時以降のオンラインゲームプレイが禁じられ、新規開店に制限が加えられるようになった。
さらに2008年頃には終夜営業の禁止にはじまり、ゲーム、ギャンブル、ポルノコンテンツの閲覧禁止。さらには外から中が見えにくい色つきガラスの使用を禁じるなど、委細にわたる規制の嵐で健全化された……と思いきや、猥雑としたチョーキットロードの片隅に、真っ黒な遮光ガラスに包まれた、スーパー胡散臭い「INTERNET CAFE」を発見! 禁じたんじゃなかったのか?
中の様子が全く見えないので、ひとまず少し離れた場所から写真をパチリ。カメラを隠して恐る恐る扉を開けると、がらんとしたホールに30台ほどのPCが並び、客なのか店員なのか、2~3名の男がモニタに向かっていた。
すべてのPCが玄関に背を向けて設置されているため、モニターに何が映っているのかさっぱりわからない。扉を半開きにしたまま、入ろうか引き返そうか悩んでいると、間髪入れず、奥の方から歳の頃40過ぎ、筋肉質のスキンヘッド男が飛び出して来るや、私の鼻先に顔を近づけ、中国語(?)で何やら詰問。意味がわからずオタオタしてると、厳しい口調でもう一度、同じ言葉を口走った。
我に返って「ネットしたいんだけど……」と英語で伝えると、ようやく私を外国人と理解した男は「インターネットはできない。ここには入れない」と問答無用の口調で言い放ち、よそよそしい態度で私を追い払うのだった。
中国系のネットカフェは、カフェと言いつつオンラインカジノが実態であるケースも多いらしく、真相は掴みきれてないものの、何かろくでもないことをしてるのだけは確かなようだ。
帰り際、KFCで無料Wi-Fiの看板を発見。最初からここに来ればよかった……。皆さんも、おかしなネットカフェに迷い込まないようにね。
(取材・文・写真=クーロン黒沢)
▼どこか煤けきったチョーキット界隈
▼電器店の店頭でもおかしな人がリラックス
▼行方不明者も多い……
▼参考までに、まともなネットカフェ