つるつるっとした喉越しのよさと、粉の風味が堪能できる上品な味わいの稲庭うどん。秋田の郷土料理である稲庭うどんは、和風だしをベースにしたしょうゆ味のつゆで食べるのが通例だ。

しかし、飲食業界.comによれば、鶏塩スープで “ラーメンのように食べる稲庭うどん” が秋田県を中心に流行しているという。そこで早速、比内地鶏の加工品などのネット販売を手掛ける『秋田味商』の『鶏塩や比内地鶏の鶏塩レモンスープで食べる稲庭うどん レモン果汁付(2食入り)』と同製品の『練り梅付(2食入り)』の2種類を食べてみることにした。値段はそれぞれ1050円。

届きました、ラーメンみたいな稲庭うどん
しっかりと梱包された稲庭うどんが到着。開けてみると、塩レモン味用のレモン果汁が4袋と塩梅味用の練り梅が2パック以外は、稲庭うどんとスープという質素な内容。レモンは本物を丸ごと1つ、梅は梅干を入れたほうが、パック詰めのものよりも高級感があってよいのではないだろうか。ほんの少し期待が裏切られた感はあったが、試食してみることにした。

麺類全般に言えることだが、茹で時間には気をつけたいものだ。茹ですぎるとコシがなくなり、本来の食感が分からなくなってしまう。パッケージ通りに2分30秒間茹で、流水で流しながらヌメリを取り除いた。その後、ちょっと面倒ではあるが、茹で汁にうどんを戻して20~30秒間温めた。

ラーメンなのか、うどんなのか
まずは、何も入れない状態で塩味のスープを味わってみよう。比内地鶏のコクが強く、大変まろやかである。後味はすっきりとしているが、このスープを飲み続けると、多少重たく感じてきそうなのは事実。パッケージ通りに茹でた稲庭うどんは、つるつるとしていて大変喉越しがよい。弾力があって、食感もすばらしい。「スープの中にうどんをぶちこんでみた」という、安易な発想ではないことが感じられた。ただ、稲庭うどんはやはりうどんであり、比内地鶏のスープで食べても「ラーメン」とは違うものだった。うどんとラーメンの中間のような「温麺(小麦麺の入った中国のスープ麺)」に近いのではないだろうか。

塩レモン味
次にレモン果汁を1袋(2g)入れてみよう。さっぱりとした味になった。後味はとても爽やかだ。何も入れない状態とは結構違うことに驚いた。レモン果汁は好みで2袋入れてもよいとのことだが、2袋入れたらすっぱく感じられ、比内地鶏のコクを消してしまったよな気がした。でも、好みの問題かもしれない。

塩梅味
梅とレモンは同じすっぱい食べ物であるが、梅を入れた稲庭うどんは「和風味」になった。練り梅の味が少々濃いので、スープが塩辛く感じた場合は湯を足すとよいだろう。

記者は女性であるが、塩レモン味と塩梅味の両方を完食することができた。これは記者が大食漢というわけではなく、喉越し抜群の稲庭うどんがするりと喉を通っていったことと、酸のパワーでさっぱり食べられたからである(と思いたい)。もしかすると、男性には2食+ご飯が必要かもしれない。今回は試食のため、薬味等はネギ以外加えなかったが、粗挽き黒コショウや柚子七味などをかければもっと豊かな味わいになるだろう。郷土料理を現代風にアレンジするという、『秋田味商』の素晴らしいアイディアに拍手を送りたい。

Photo by Rocket News24 Staff / 本誌記者撮影