先日とあるニュースで、iPadをアメリカから輸入しようとして届いたらiPadはなく空箱だった、という記事を見た。まさか荷物を取り扱う税関職員が抜き取ってしまったのだろうか? 真偽のほどは不明だが、世界中で品薄状態となっているため、もし手に入れたとしても取り扱いにはくれぐれも注意したいものである。

さて、昨秋のことだが、スペイン・バレンシアでスリに遭った。盗られたのは『iPhone』。場所は、とても混雑する鉄道車内か駅構内かのどちらかで、ほぼ懐に抱えていたカバンから見事に抜き取られたようだ。しかも、パスポートや財布、クレジットカードもカバンに入れていたにもかかわらず、『iPhone』だけがなくなっていた。

『iPhone3GS』16GBを買ってから約半年。何度も海外に行っているが、スリは初めての経験でなりのショックを受けた。だが、落ち込んでばかりはいられない! まずは日本のソフトバンクに国際電話して電話回線を停止してもらった。続いて駅などに問い合わせるも、それらしき拾得物はなし。最後に向かったのは、現地警察の交番である。

ただでさえ盗難が多いことで知られるスペインで、警察に届いている可能性など皆無なことは自分でもわかっている。だが、海外旅行保険にしっかりと加入して出国したので「盗難届出証明書」を発行してもらう必要があった。ちなみに、スペイン語はほぼ話せない。不安なこと多々ありだったが、電子辞書片手に必死にコミュニケーションを取ったところ、英語の話せる若い警察官のところに連れて行ってくれたのはラッキーだった。

そして事情聴取である。発生日時や場所、『iPhone』についてなどを次々と聞かれるのは、日本での盗難届とほぼ同じ。ただ、『iPhone』のシリアルナンバーを聞かれると、まったくメモっていなかったことに気付いた。警察官が自分の携帯電話のバッテリーを外してまで実演してくれたおかげで「ああ、このことか」とわかったが、スペインでの盗難時には重要情報らしい。

小1時間ほどで「盗難届出証明書」を1枚、ポン! と渡してくれた。これで終了。ちなみに、海外旅行保険ではこの証明書は大事な書類となるので、パスポートとほぼ同様に旅の途中、失くさないように厳重に持ち帰ったことは言うまでもない。

また、日本の『iPhone』は原則、自然故障を除いて盗難や紛失をはじめ、水没や落下破損などでは、メーカーからも携帯キャリアからも何の保証もない。ただ海外の場合、『iPhone』でもしっかり旅行保険に入っていれば、帰国後、書類一式を提出すると保険金としてある程度の金額分が戻ってきて、また新しい『iPhone』をすんなり買うことができる。実際にそれができた(約半年使用で、購入価格の約8割、6万円弱が戻ってきた)。

新しい『iPad』に興味津々な半面、もし手に入れても、日本はもちろん海外ではさらに、『iPhone』ともども管理にはくれぐれも注意しなければいけないと肝に銘じている。

記者: 飾磨亜紀 (Aki Shikama)