【検証】魔法瓶の保温力はメーカーによって差がでるのか? 人気のサーモス・象印・タイガー・スタンレーの温度を実際に測って比べてみた(その2)
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・室外と室内の差はあるのか?

では次に、外気の影響をどの程度受けたのか、室内・室外の温度の差をメーカーごとに比較してみよう。注ぎたての数値は参考にはならないかもしれないが、ひとまず一覧にまとめると以下の通り。
(※右の数値は「室外ー室内」)

・タイガー
注いですぐ:96.0℃(外)96.5℃(内)ー0.5
1時間後:90.3℃(外)90.9℃(内)ー0.6
2時間後:85.5℃(外)87.0℃(内)ー1.5
3時間後:81.4℃(外)83.1℃(内)ー1.7
4時間後:77.2℃(外)80.1℃(内)ー2.9
5時間後:73.3℃(外)76.5℃(内)ー3.2
6時間後:69.9℃(外)72.4℃(内)ー2.5

・サーモス
注いですぐ:96.4℃(外)96.6℃(内)ー0.2
1時間後:91.3℃(外)91.2℃(内)+0.1
2時間後:87.7℃(外)88.0℃(内)ー0.3
3時間後:83.9℃(外)84.4℃(内)ー0.5
4時間後:80.2℃(外)81.7℃(内)ー1.5
5時間後:76.7℃(外)78.4℃(内)ー1.7
6時間後:73.1℃(外)75.6℃(内)ー2.5

・象印
注いですぐ:96.1℃(外)96.7℃(内)ー0.6
1時間後:90.6℃(外)90.3℃(内)+0.3
2時間後:86.5℃(外)86.4℃(内)+0.1
3時間後:882.5℃(外)82.3℃(内)+0.2
4時間後:78.6℃(外)79.1℃(内)ー0.5
5時間後:74.8℃(外)75.4℃(内)ー0.6
6時間後:71.6℃(外)73.6℃(内)ー2.0

・スタンレー
注いですぐ:93.5℃(外)94.6℃(内)ー1.1
1時間後:87.3℃(外)90.3℃(内)ー3.0
2時間後:84.2℃(外)87.0℃(内)ー2.8
3時間後:81.0℃(外)84.2℃(内)ー3.2
4時間後:78.1℃(外)81.8℃(内)ー3.7
5時間後:74.9℃(外)78.6℃(内)ー3.7
6時間後:72.2℃(外)76.2℃(内)ー4.0

やはり全体的に室外の方が温度が低いので、外気の影響は少なからずあるようだ。なかでも、室内と室外での平均差が圧倒的に大きいのはスタンレー。逆に差が一番小さいのは象印

平均差の小さい順……すなわち外気の影響が少ない順に並べると、象印サーモスタイガースタンレーの順となった。2位のサーモス、やはりここでも優秀だ。

・冷水の場合

ちなみに、鍋いっぱいに氷を大量に投入後、オタマで魔法瓶に注ぎ、室内・室外に放置した結果は以下の通り。──なお、氷の数や大きさによる誤差を考慮し、魔法瓶に氷は入れていない。

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【室内(水温 1.4℃からスタート)】
『 注いですぐ → 1時間後 → 2時間後 → 3時間後 → 4時間後 → 5時間後 → 6時間後』
全メーカー
1.6℃ → 2.5℃ → 2.5℃ → 2.5℃ → 4.1℃ → 4.1℃ → 4.1℃

【室外(水温4.6℃からスタート)】
『注いですぐ → 1時間後 → 2時間後 → 3時間後 → 4時間後 → 5時間後 → 6時間後』
タイガー・サーモス・象印
4.6℃ → 4.6℃ → 4.6℃ → 4.6℃ → 4.6℃ → 4.6℃ → 4.6℃
スタンレー
4.6℃ → 6.1℃ → 6.1℃ → 6.1℃ → 6.1℃ → 6.1℃ → 6.1℃

今回、最初の温度を揃えることができなかったので、室内・室外の差は計測不可能だったものの、室内ではすべてのメーカーが全く同じ温度変化となった。室外では、スタンレーのみ1時間後に上昇して以降、すべて一定。冷水においては室外の場合スタンレーが一歩後ろを行く形だが、それ以外に差は出なかった。冷水は熱湯のように目立った変化がないのは面白い!

・結果

ということで、今回はお湯の結果から結論を出すことにしよう。とにかく室内外・温冷水ともに安定し、かつ外気の影響も受けにくかったのはサーモスだ。室外では一定してトップ。室内では4時間後にスタンレーに抜かれるものの、その後も 1℃未満の僅差を保っている。総合的に非常に優秀だ。

・各社の特徴

上記で述べたサーモス以外のそれぞれの特徴をまとめると、スタンレーは注いだ瞬間の温度が他3本と比べ低い傾向にあるが、温度の下がり方が一番ゆるやかで、長時間の使用で差が現れるといえる。象印は温度の下がり方が一番激しいものの、外気の影響は一番小さい。タイガーは全体的に一歩出遅れている印象だ。

・どれを選ぶ?

──いかがだろうか? 以上の通り、それぞれ差はあるものの、この差をどう捉えるかは人それぞれだろう。なお、今回は行っていないが、少量の熱湯(冷水)を入れて予熱(冷)すると、保温(保冷)効果が高まるとのこと。

今回は保温(保冷)力のみの調査だったが、軽さやタフさに力を入れていたりと、各社の工夫は様々だし、価格も異なる。用途に応じて必要な条件も変わってくるだろう。一つの結果として、今後の魔法瓶選びのご参考になれば幸いである。

Report:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.

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