夢と希望にあふれていたインターネット聡明期。アングラ臭ただようパソコン通信の時代から、インターネットにシフトした時期の「時代が動いた感」は凄まじいモンだった。なんせ「世界とつながっている」んだ。家のパソコンが電話回線を通じて世界とつながっちまうんだからスゴイとしか言いようがない。

今なんてさらにスゴイ。ポッケに入っているケータイやスマホから、世界にアクセスできちまう。地球の裏側にあるブラジルのネットユーザーが発信している「うちの猫ちゃん日記」なんてのにも余裕でアクセスできるんだ。

・ネット犯罪はすぐそこに
世界は確実に縮まった。海外通販サイトから買い物することだって余裕のよっちゃん。なんて便利な世の中になったもんだ……と思いたいところだが、ひとつだけ俺の言葉を聞いて欲しい。世界とつながっているってことは、世界中の悪党どもともつながっているってことなんだぜ?

あまり多くのことは語れないが「ネット犯罪」に巻き込まれることを意識しながらインターネットを使って欲しい。誰にでもありうること。実はメチャクチャ身近なんだぜ? あなたを狙う悪党が、国内にいるのか海外にいるのかどうかは分からない。だけど確実に、どっかにいる。ネットにつなげている以上、ネットに依存した生活をおくる以上、そんな悪党ともつながっちまうんだ。

・捕まってる奴はとん汁の「あく」
よく日本でも、ネット犯罪を行って捕まっているアホな奴が大勢いる。新聞やテレビのニュースでも、よく見かけるよな。だけどな、そんなのは氷山の一角中の一角だぞ。「とん汁」を作ってる最中に出てくる「あく(灰汁)」みたいなもんだ。悪党だけに「あく」みたいな。なーんちゃって、とオチャラケてみるけど、コレはマジな。俺、真顔だから。

ほんっとーに悪いやつらは、鍋の底に潜ってる。にんじんとか大根とか、豚肉とかゴボウにまぎれて潜ってる。決して水面には出てこない。どこにいるんだか見えないぞ。さえばし使ってほじくっても、なかなかコンニャクはつかめない。コンニャクだけに……ヌルヌルしてるからな。つかめないんだ。

・悪党はコンニャク
コンニャクをツマミあげるには、そりゃもう大変な作業になるわな。さえばし突っ込んでかき回しながらコンニャク探索したら鍋の中はどうなるよ。グッチャグッチャになるんだよな。豆腐なんて崩れちゃう。カーチャンに「やめときなはれ」って言われるし、とん汁が台無しになっちまう。

結局、コンニャクはつかめないんだよ。ヌルヌルしてるからな。このギャグ、2回目な。たとえつかんでも、ハシからツルッと逃げていくぞ。そのままハシからすべり落ちて、床に落ちて……どっかに消えちまったりもすることもあるだろう。とにかくコンニャクはつかめない。ヌルヌルしてるからな。3回目な。

・料理人の限界
それはどうでもいいとして、とん汁つくる料理人ってのは、結局んところ基本的には「あくすくい」しかできねーんだ。「あくをすくう」っていうけど、決して「悪」を救っているわけじゃないぞ。

でもな。運悪くコンニャクのフリしたナタデココみたいなモンをつかまされたやつは、救われないわけだ。この状況って、ある意味、「あくすくい」なんじゃねえかなって俺は思う。しょーがねーんだけども。ウン。

・節子それ、あくやない
こんなこともあるぞ。料理人があくをすくおうとしたけど、「実はそれ、あくじゃなかった!」みたいな。映画『火垂るの墓』風に言えば、「節子……それ、あくやない。豚肉から出る油や」みたいな。料理人もよくわかってなかったりする場合が、マジであるんだ。

俺はその場面にいたこともある。料理人の勘違いで「あく」だと思われ、あくとりに来られたこともあるんだよ。まったく意味がわからない。料理人すらとん汁の味を分かっていない。俺はあくじゃないし、コンニャクでもねえ。調べりゃわかるけどサトイモだよって。

・どうすればとん汁を美味しくいただけるのか
とん汁は美味しくいただきたい。そのためにはどうするかって。答えはひとつ、「気をつけろ」ってことだよ。とにかく気をつけろ。いつも美味しいとん汁がそこにあるとは思わないほうがいい。油断してパクっと食べたその瞬間、ナタデココがまぎれてるから。

自分の身は自分で守るしかないんだよ。腐ってると思ったら、少しでも「あやしいな?」と思ったら、「におうな?」と思ったら、自分の直感を信じて食うか食わないか決めたほうがいい。腹壊すから。とにかく健康第一だ。とん汁は栄養バツグンだぞ。ウン。
(文=インターネットパトローラー・バッチ偶三)