
同僚の佐藤が近所のスーパーに行った際、「これ、羽鳥さんに」と、ひとつのカレーを買ってきてくれた。売っていた場所はヨークフーズ。その名も『大仁田厚のファイヤーカレー』。激辛カレーらしい。
大仁田のカレーというだけでちょっと珍しいのだが、とんでもないのは価格である。なんと861円もしたという。果たして861円の大仁田厚のカレーは、どれほどのファイヤーなのだろうか?
・まさに外道
ちなみに佐藤は「大仁田のくせに高すぎる」との苦言を呈していたが、「くせに」って、大仁田厚本人の耳に入ったらどうするんだ。本当にファイヤー(火炎殺法)されるぞ。
とはいえ、あまり私が大仁田を庇うと、かつて大仁田の試合後にリングサイドに雪崩れ込み、大仁田厚が噴き出す水や汗や汁を「聖水」と崇めるほどの「大仁田信者」であった過去がバレてしまう。それは避けたい。
よって私も「ほんっと、高すぎるよね。一体いくら、大仁田の懐に入ることやら。さすがは邪道。やれやれだぜ」と、呆れ顔で同調しておいた。裏切り余裕、まさに外道。
・カレーでも大仁田マジック
それはさておき、まずはパッケージから注目したい。パッと目に入るのは、やはり「大仁田厚のファイヤーカレー」という文字。そこはかとなくプロレスゲーム『ファイヤープロレスリング』初期シリーズのフォントに似ている気がした。
それはどうでもいいとして、次に目に入るのは「電流爆破メシ!!」という、なんだかよくわからない文言。どんなシチュエーションのメシなんだよそれ。電流爆破メシとは何か。果たして、これを食べたら電流爆破メシが理解できるのか。
私の心はもう、8割がたワクワクしていた。すでに大仁田の手のひらの上で転がされていると言っても過言ではない。これが、俗にいう大仁田マジック。このやりかたが、まさに大仁田なんだよ。
そして目に入るのが、辛さの文言。「中辛」と書いてあるくせに、0辛〜3辛までのレベルゲージが描かれている。なんでも辛さレベルは調節可能らしい。じゃあお前はいったい何辛なんだよ!
でもまあ、そのまま食べれば中辛で、後乗せスパイスをかければ最大「3辛」になるということだろう。ちなみにこのスパイスは「赤唐辛子・砂糖・食塩・ブラックペッパー」からなる粉末だ。
・そんなの辛さは “最強” じゃ〜!
調理方法はいたって簡単。電子レンジでも湯煎でもできるが、なんとなく湯煎でやってみた。沸騰したお湯に入れて5分。ご飯にかけて、ここで「辛さレベル調節 後乗せスパイス」を全部ぶっかけることにした。
つまり最強の3辛。なぜならば「ファイヤーカレー」で「電流爆破メシ!!」とうたっているのであるから、中辛なんて中途半端な調節をしたらいかんじゃろ……と。
そして完成。いざゴング!
・実食レビュー
さっそくスプーンを入れてみると……カレーは結構ドロドロとした感じで、かなり粘度が高い。そしてお肉がコロッと入っていて、ジャガイモやニンジンもデカいのがゴロンと入っている。
特筆すべきはお肉だろう。意外なほど、いい肉が入っていた。861円は高すぎる。さすがに高すぎるが、この肉があれば……と、ちょっと納得してしまう自分もいる。う〜ん、大仁田マジック。
そして食べてみる。ひと口目。
なるほど、中辛。まったくファイヤーではない。後乗せスパイスを全部入れたのだから、いきなりガツンと来ると思いきや、全然そんなことはなく中辛。子供でもイケるくらいの中辛。
ところが、発汗(はっかん)。どんどん汗が出てくる。それはまるで、かつて「涙のカリスマ」として名を馳せた、汗まみれの大仁田厚のように。
とはいえ、「痛い」という辛さがない。辛いのだけど、「ヒー、痛い痛い!」という尋常ではないほどの辛さではない。なんというか、優しさを感じる辛さというか、マイルドな辛さなのだ。これは意外。
私はもっとこう、ガツンと電流爆破のような、弾けるような辛さをイメージしていたのだが、実際はリング中央、片逆エビ固めでジリジリジリジリと痛めつけられているような、そんな辛さ。
しかし先述の通り、発汗レベルは半端ない。どんどん汗が出てくる。痛く(辛く)は、ない。しかし、汗(聖水)はドバドバと出る。これが大仁田厚。大仁田流なのか……!
久しぶりの発汗グルメ。ボタッ、ボタッと垂れる汗。ついには目に汗が入り、その塩分で目が痛いという状況になるまで汗をかいた。髪の毛なんて、ビッショビショ。
そして気づけば……
ととのっていた。
【完】
GO羽鳥





























































