
一度お土産としてもらって以来、どうしても忘れられない味がある。それが『ミマスヤのみそ玉』だ。とはいえ、はじめはこれが何なのかよくわかっていなかった。「みそ玉」と聞くと「即席みそ汁の素」を思い浮かべてしまうのだが、どうやらそうではないようだし。
ビジュアル的には飴っぽいけれど「みその飴ってありなの?」という疑問が頭をよぎる。そんなこんなで、正直やや訝しがりながら食べてみると……評価が一変。これほどまでに心を掴まれるなんて! あまりにハマりすぎて、ひと袋食べ終えたときは本気で悲しくなったほどなのだ。
・朝ドラ級に胸アツな銘菓
正真正銘、おいしい飴菓子である『ミマスヤのみそ玉』。初めて手にしたときの私と同じく「みその飴ってありなの?」と思ったそこのアナタ。これが大ありなのよ! なんとこれ、知る人ぞ知る静岡県の富士宮が誇る銘菓で、地元で知らない人はモグリと言われるほど親しまれているそうなのだ。
しかも、このお菓子の背景には、ドラマチックな物語が隠されている。もともと長年作り続けていた「三升屋製菓」が事業廃止となり、一度は消滅の危機に瀕したものの、そのピンチを救ったのが、現在『ミマスヤのみそ玉』を手がける「丸繁」という会社。消えかけた伝統の味を、今日まで守り続けているという。
突然だが、NHKの朝ドラが大好きな私。「長年続いた老舗のピンチ」「一度は途絶えかけた伝統」「奇跡のバトンタッチ」なんて、これはもう完全に朝ドラにできそうな展開ではないか……! と思わず興奮してしまった。そうやって大切に受け継がれてきた歴史を知ると、なんだか胸がジーンと熱くなる。
・灯台下暗しな場所での再会
というわけで、知れば知るほど奥深さがあるお菓子なのだが、神奈川県に住む私にとって、静岡県の富士宮で愛される銘菓に出会えるチャンスはそうそうないと思っていた。
ネットで買うか、もしくは旅行を兼ねて富士宮まで行こうかと考えたこともあるのだが、なんと! 神奈川県内を中心に展開する食のセレクトストア「大野屋商店」で、偶然にも売り場に並んでいるのを発見したのである。そうか、こういう「地のものを扱うお店」を探すという手もあったのか!
思いがけぬ場所での再会に、急激に高鳴る胸。表向きはシレッとした顔を決め込んでいたが、心の中では「うわああい!」と声をあげて喜んだ。目的の品をいそいそと手に取り、そのまま速やかにお会計を済ませて、大事に自宅まで持って帰ってきたのである。
・コーヒーのお供にも抜群なのだ
さて、それじゃこの『ミマスヤのみそ玉』のどこにそんなに惹かれているのか。レトロなパッケージから受ける印象どおり、味も素朴な感じではある。だけど、ざらりとした舌触りの大きな粒を口の中でカラコロ転がしていると、自然な甘さと香ばしさがじわじわと口の中に広がって、なんとも幸せな気持ちに包まれるのだ。
さらに、どこかキャラメルを思わせるような深いコクがあるのよ〜! それゆえ、ひと粒のサイズが大きいにもかかわらず、舐め終えたらまたすぐにもうひと粒欲しくなってしまうような中毒性もあるんだよねぇ。
また、私がこの「みそ玉」にハマった最大の理由はズバリ、コーヒーにとんでもなく合うからなのだ! 正確に言うと、私はブラックが苦手なのでミルクを入れたコーヒーなのだが、これが信じられないほど相性抜群なのである。
渋い雰囲気の飴菓子と、ミルク入りのまろやかなコーヒー。一見するとまったく別のグループに属していそうな組み合わせであるが、「みそ玉」の奥深い旨みがコーヒーの味わいに奥行きをプラスしてくれるようで、とにかく最高にマッチするのだ。
ちなみに、私はこの幸せをひと袋429円(税込)で手に入れた。たったワンコイン以下で、いつものコーヒータイムの満足度をグッと高めてくれるのだから、コスパも最強ではないだろうか。
この『ミマスヤのみそ玉』のように、日本各地で大切に守られている「おいしい物語」ってほかにもたくさんあるんだろうな。そんな隠れた名品に、これからもたくさん出会っていけたらうれしい。
参考リンク:丸繁
執筆:つぼみまい
Photo:RocketNews24
▼口がいっぱいになるほどの大粒サイズ!
▼ゆっくり舐めるようにとの注意書きあり
つぼみまい









































