音楽サブスクの登場により縮小が進むレンタルCD業界。中でも王者・TSUTAYAの動向は注目されている。44歳の私(中澤)が大学生の頃、TSUTAYAは時間を潰すスポットの1つだった。ズラーッと並んだレンタルCDの森はその場にいるだけで気持ちが上がったものである。

そんな大学生時代、道頓堀にオープンしたのが『TSUTAYA EBISUBASHI』だった。近畿大学に通っていた私は何度となくここでCDを見ながら人を待ったものだが……あの「エビツタ」が営業終了するらしい。というわけで20年ぶりに行ってみることにした。

・TSUTAYAにCDが置かれるのが目標の1つだった

大学を卒業して1年大阪でフリーターをしてから上京した私は、「エビツタ」についてオープン当時のことしか知らない。レンタルCDが隆盛を極めていた当時、バンドマンの私はCDがTSUTAYAに置かれるのは目標の1つだった。

ちなみに、その目標はギリギリ叶った。SHIBUYA TSUTAYAでデビューバンドの1st音源が置かれてるのを発見した時は嬉しかったなあ。当時、一緒にブラついてた音楽仲間までテンションが上がってたことを覚えている。

いきなりの脱線、失礼しました。20年前のTSUTAYAの勢いの参考にしていただればと思う。要は、TSUTAYAの営業終了が話題になるのは、みんなお世話になったからこそ、ただの思い出ではなく出口を見つけて欲しいという想いが強いからなのかもしれない。

・TSUTAYAの最前線

そんなわけで、エビツタに着いた。営業終了は2027年1月11日のため、まだ建物自体に営業終了オーラはない。しかし、入店してみると時代の流れを感じずにはいられなかった。

まず地下1階はIP書店になっている。TSUTAYAのIP書店とは、キャラクターもののグッズを集めて取り扱っているようなショップで、言うならばTSUTAYA版アニメイトみたいなものだ。SHIBUYA TSUTAYAにもあるんだけど、フロア面積はエビツタの方が広め。

入口でにじさんじの男性Vグループ「エデン組」の立ち絵パネルがお出迎えしてくれたことと、ホロライブコーナーの狭さから女性向けの雰囲気が感じられる。

・衝撃のフロア

で、私が知ってる頃から1階にはスターバックスがあった記憶があるんだけど、このスターバックスが1階だけでなく2階にまで勢力を拡大していた。1階2階が本棚もあったりして、スタバの席とシェアリングスペースの間みたいな感じになっている。

そして、3階はなんとコスメフロアになっていた。IP書店、スタバ、シェアリングスペースまではSHIBUYA TSUTAYAでもそうなので、まあそんなもんだろうと思ったけど、コスメフロアはさすがに衝撃。っていうか、ここは本当にTSUTAYAなのか?

TSUTAYAビルの3階に別の会社が入っている可能性を考えたけど、天井に「@cosme STORE / TSUTAYA」という文字が吊られていた。なんならTSUTAYA EBISUBASHI限定のスキンケアセットとかあったりする。

TSUTAYAってコスメとかやってたんだなあ。今初めてその存在を知った私としては、目からウロコの気分だけど、思えばエビツタは当時から他店と違うオシャレオーラを出していた。TSUTAYAの中でもエッジーな店という点では方向性はブレてないのかもしれない。

・時代の流れ

そして、4階がアイドルフロア。実在アイドルたちのCDや本などのグッズが集められていて、ある意味、IP書店と対を成すショップとなっている。

5階はイベントスペースになっているが、本日はやってないため、フロアは以上となる。当時の面影の無さに時代の流れを感じずにはいられなかった。

・気づき

抗いも感じられたエビツタの変貌。良かったのは、シェアリングスペース度高めの2階の利用に特別料金がいらないこと。席ごとに電源があって、WiFiも飛んでて、1階のスタバでドリンク買うだけで利用できる。スタッフさんに聞いたところ時間の制限もないらしい。さらには……

かに道楽本店の蟹が眼前に迫る。かに道楽の蟹をこの角度で見られるのはレアかもしれない。少なくとも私は初めて。そこで窓際に座ってレア角度で蟹を見てみたところ、生まれて44年間知らなかった真実に気づいた。見上げてる時は気づかなかったけど、この蟹……


目も動いてる……!!

どうでもいい人にはもの凄くどうでもいい真実だとは思うのだが、営業終了という言葉の寂しさも相まって、この気づきもエビツタに来た醍醐味のように感じられた。

戎橋に立つと、右にグリコ、左にTSUTAYAが見えるほどのランドマークだったこのTSUTAYA。繰り返すが営業終了は2027年1月11日なので思い出のある人はそれまでに行って別れを告げておくのも良いだろうと思う。

参考リンク:TSUTAYA「TSUTAYA EBISUBASHI 営業終了のお知らせ
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼色んなことが変わってたけど、エッジーな方向性は変わらず

▼個人VTuberユニット「ぽこぴー」のポップアップもあって最先端ではあり続けていているように感じた

▼この蟹にここまで迫れる場所も珍しい気がする