先日開催された「サマーソニック2026」のヘッドライナーとして出演したL’Arc~en~Ciel。SNSなどを見ていると、特に東京(千葉)会場のライブについては絶賛の声が相次いでいる。

当日会場にいなかった私(あひるねこ)は羨ましくていまだに悶えているが、一方でラルクがここまでラルクファン以外の、いわゆる「音楽好き」にも受け入れられている状況が、少し不思議だったりもする。

私は28年来のラルクファンだが、正直、昔のラルクは今とは違って、私の周囲ではかなり舐められがちな存在だったからだ。

・「ラルク(笑)」だった青春時代

私がラルクを好きになったのは1998年。ちょうどシングル3枚同時発売で世間を賑わせていた時期で、それは私にとって音楽との最初の出会いでもあった。


翌年にはファンクラブに入るほどの立派なラルクマニアになっていたが、思い返してみると、この時期のラルクは世の中での圧倒的な認知度に反して、どこか下に見られがちだった。

「ラルク(笑)」と冷笑するような空気が、少なくとも私の周囲には漂っていたのである。

私が特にそのムードを感じていたのが、高校生だった2000年代前半だ。

ラルク史的には、2000年のアルバム『REAL』リリース以降、バンドとしての活動が目に見えて減り、メンバーがそれぞれソロ活動を始めた時期でもある。


もちろん同じようにラルクが好きな友人はいたが、周囲の同年代たちはラルクをあまりイケてないものとして捉えていた。

では、当時の彼らが何を好んで聴いていたかというと、主に日本のメロコア。そして「青春パンク」と呼ばれるバンドの音楽である。

当時の私は、この「青春パンク」というジャンルにまったくもって乗ることができず。なぜこっちはアリとされて、ラルクはダサい扱いなんだ?

と本気で憤っていたが、仲良くしている友人たちの大多数は、そういったバンドの音楽に夢中だ。

ラルクはラルクで、2001年のシングル『Spirit dreams inside』以降、実質的な活動休止状態に。

なんだか世界から自分だけが切り離されたようで、すごく孤独だったことを覚えている。



・いつからラルクは正しく「レジェンド」になったのか

だから当時のことを思い返すたびに、現在のラルクの受容のされ方というか、誰もが認めるレジェンドとして扱われている状況が信じられない。

サマソニという本来ならアウェイであろうフェスで、ラルクをそこまで熱心に追いかけてきたわけではない人たちからも、そのパフォーマンスを絶賛されている。


一体いつからこんなことになったんだろう? 少なくとも私が学生だった2000年代は、今のようなムードではなかった気がする。

もちろん、これには様々な要因が複雑に絡み合っているはずだ。

かつてあった「ビジュアル系」や「ヒットチャートの常連」への偏見が、時代と共に薄れたこと。

サブスクの浸透によってジャンルや当時の売れ方などに関係なく、過去の楽曲をフラットに聴ける環境ができあがったこと。

そして、ラルクに影響を受けた新世代のアーティストたちの口から、ラルクへのリスペクトが語られるようになったこと。

そう考えると、別にラルク自身が変わったわけではないのだと思う。四半世紀以上ラルクを愛してきた私から言わせてもらうと、ラルクは昔からずっと凄かった。

ただ、時代が変わって音楽の聴き方も変わり、そしてラルクを見る側の目も変わったのだ。


・四半世紀越しの感慨

SNSで今回のサマソニの感想を漁っていると、熱心なラルクファン以外にもその魅力が届いたことを実感する。

「やっと気づいたのかよ! 遅いよ!」という気持ちもなくはないが、肩身の狭い思いをしていた当時のことを振り返ると、何とも言えない感慨がある。



しかしだ。長年耐え忍んできた身としては、ハッキリ言ってこの程度の絶賛ではまったく満たされないのである。サマソニだけで満足されては困るのだ。

だからこそ今、当時の空気感で遠ざけていた人や、まだ彼らの音に触れていない人たちに向けて、改めてこう言いたい。

ラルクっていう最高なバンドがいるんだけど、ちょっと聴いてみない?

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:Spotify(iOS)

▼サマソニのセットリストは「Spotifyプレイリスト」として公開されている。