『魁!!男塾』といえば少年ジャンプを代表する人気漫画だけに、今も根強いファンがいる。私の身近なところで言うと、当編集部のP.K.サンジュンは間違いなくそのうちの1人だろう。しかも、かなり熱烈な部類と言っていい。

原作者の宮下あきら先生にロングインタビューを敢行するだけにとどまらず、過去には「鬼滅の刃と男塾には共通点がある」と言い張ったりしているほどである。もはや、男塾という物差しで世界を見ていると言っても過言ではない。

つい先日のこと。そんなP.K.サンジュンが「昼飯何にしようかな」と悩んでいた。今日もまた近所にある随園別館のお弁当か、あるいは松屋か、あるいはバーガーキングか。

どれにするのかと思っていたら……なんとP.K.サンジュンは「やるしかねぇ」と言いながら学ランに着替え始めたのだ。

「やるしかねぇ〜」


「悩むくらいならやるしかねぇ〜〜」


「昼飯ごときに悩むくらいならやるしかねぇだろ〜〜」


──何をやるんですか?


「直進行軍風ランチをやるしかねぇ〜〜」


・心配すぎる

ここで男塾をご存知ない方のために簡単に説明しておくと、直進行軍とは男塾で行われた名物イベントのこと。日本刀を倒した方向にただひたすら前進するのが特徴で、民家があったら壊し、電柱があったら登ってでも一直線に進み続ける。


「頭がおかしい」としか言いようのない行為であり、実際にやろうものなら逮捕は確実

もしかして……P.K.サンジュンはそれっぽいことを実際にやるというのか? 現代のコンプライアンスの厳しさ、ナメてんのか?



本人は「直進行軍 “” 」と言っているからガチの直進行軍ではなさそうだが、だとしても心配すぎる。大丈夫かと思って見ていると、編集部にあったバットを手にしたP.K.サンジュン。


それを……



倒した。



どうやらこの方向に進むということらしい。



さらにバットの倒れた方向をGoogleマップで確認している。文明の利器を使った直進行軍!



そして事務所を飛び出し……


Googleマップの方向的にはこっちですねと教えると……

始まってしまった……!



・ビルとぶつかったら……

とはいっても、当編集部がある新宿二丁目の周囲は建物だらけ。直進していたらビルとぶつかるのは避けられない。これを一体どうするのか?


まさか……



男塾のようにこれを破壊して進むというのか?


あるいは登って超えるというか?


どっちにしようが絶対ダメだろ!! そうなったら止めなければと思っていると、振り向きざまにこう言う。


「男児たるもの曲がることは許されないが、法律を曲げることはもっと許されない」


……何を言っているかよくわからなかったが、要は法律をしっかり守った上で直進行軍をするということらしい。


こちらが安心したところで、「試練じゃ試練じゃ」と言いながら、ビルの周りを歩いてバットが倒れた方向に歩き始めた。

どうやら、本人的には法律面で折り合いをつけることも試練の1つと考えているようだ。

というわけで、バットが倒れた方向に対して、交通ルール等を守りながら進んでいく。完全に直進ではないところが、直進行軍 “風” なのだろう。



ところが、なかなか営業中のお店にぶつからない。新宿二丁目という土地柄、夜から営業のお店が多いためである。


もしかして新宿駅の方まで行かないとダメかなと思ったところで、2Fにあるタイ料理のお店が営業中なのを発見。


ちなみに、私もP.K.サンジュンも今までこちらのお店を利用したことがない。職場から近いといえば近いのだが、未知のお店に巡り合えることが直進行軍風ランチの醍醐味と考えたら、おあつらえ向きかもしれない。


・店内でも直進を貫く

というわけで、入店したところで直進行軍は一旦これにて終了……と思いきや!


ランチメニュー1番左上にあるものを速攻で指差すP.K.サンジュン。どうやらメニューを決めるのも直進行軍スタイルのようだ。

しかも、1番左上にあったのは「鶏肉のイエローカレーオムライス」というちょっと可愛いメニュー。1秒も悩まずコレに決めてしまうところが、逆にかっこいい。

それをQRコードで読み込んでから注文するお店だったので、やってみると……



シンハービールが1番最初に表示された。もちろんそれも注文。防御体制は一切取らない。ただただ全てを受け入れていく


そしてカレーが到着したのだが……



なんと……


_人人人人人人人人_
> カレーの食べ方も直進 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄



・やってみてわかったこと

とここまで読んでくれた人の中には、「直進行軍風ランチもたいがい頭がおかしい」と思った人がいるかもしれない。が、実際にやってみるとそうとも言い切れない部分があったことも確か。

というのも、我々の日常はあまりにも悩むことが多すぎるのだ。ランチ1つとっても、何を食うか、何から食うか、どうやって食うか……。

そんな悩みに向き合う中で、知らない間にストレスにさらされている。しかも、悩む割にいつもと同じ店で似たようなものを食っている人が意外と多いのではないだろうか?

直進行軍風ランチはそのような悩みを薙ぎ倒してくれる。痛快なまでに薙ぎ倒してくれる。

つまり、選択肢が多い現代からだからこそ、選択肢を放棄する直進行軍風ランチは逆にアリな気もするのだ。

もっと言うなら、これからは男塾的な価値観が見直されて再評価される……というのは明らかに言い過ぎだが、直進行軍風ランチはやってみると発見があるかも。


ただし、あくまで “風” で止めておくように! ガチの直進行軍をやると逮捕されるから、そこだけは注意していただきたい。現場からは以上だ。


・到着した飲食店の詳細データ

店名 クルンテープ
住所 東京都新宿区新宿2-12-4アコードビル2F
時間 月〜金曜日11:30~15:00、17:00〜23:00 / 土・日曜日11:30〜24:00

執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.Ⓒ宮下あきら. Ⓒ集英社.

▼当然ながら私も同じものを注文。物価高のこの時代に、これで1000円以下は安い!

▼美味し!

▼違法なことは一切していないが、パトカーが通ったときは正直ヒヤっとした。

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