
奇抜なメニューで世間を何度も騒がせてきた「バーガーキング」が、このたび再び大きな一石を投じた。2025年9月26日より、2週間限定で発売された新商品の名は「オン ザ ビーフ」。これが何と、バンズも野菜も存在しない、ビーフパティのみが提供されるメニューなのである。
「バーガーキング」が投じた一石は、明後日の方向へ水面を跳ねていき、我々を置き去りにした。バーガーショップの在り方を根幹から揺るがすような、あるいはただ根幹をいじって遊んでいるだけのような同店の所業に対し、筆者は意を決して立ち上がった。
面白そうだからである。こんな面白そうな商品を、置き去りにされたまま見送る手はないからである。
そういうわけで、筆者は発売日当日に「バーガーキング」へ足を運んだ。「オン ザ ビーフ」に関して補足しておくと、極めてシンプルな同商品にも3種類のバリエーションが存在する。
すなわち塩コショウで味付けされた基本形の「オン ザ ビーフ(350円)」と、トッピングのソースを「スパイシー・テリヤキ・BBQ」のうちから選ぶ「ソース オン ザ ビーフ(450円)」、ライスパティが上乗せされた「ライス オン ザ ビーフ(450円)」である。
さらに付け加えると、実は4年前の2021年にも「オン ザ ビーフ」と「ソース オン ザ ビーフ」は販売されていたらしい。そこで今回は、新顔の「ライス オン ザ ビーフ」を、基本形の「オン ザ ビーフ」と合わせて注文することにした。
まずは「オン ザ ビーフ」の封を開けてみたところ、複雑な感情が湧いた。美味しそうなのだが、やはりどこか寂しい。ワッパーサイズのハンバーガーにパティを追加する場合も同じく350円かかるので、要はそのパティが単身抜け出てきたようなものであり、どこかわびしい。
もしこの商品をまだ知らない人に、今からこれを食べる姿を見られたら、「過去にバーガーキングで何か罪を犯して、バンズ停止処分を受けた人」だと誤認されかねない。などと内心好き勝手に言い散らす筆者だったが、まもなくその態度は目の前のパティによって咎められた。
付属のフォークを刺した途端、表面から肉汁がにじみ出す。「しっかり向き合え」と主張せんばかりの、その魅惑的な光景に釘付けになった。誘われるがまま、大口を開けて頬張る。
「バーガーキング」のパティが格別のクオリティであることは知っていたが、バンズや野菜に挟まれていないからだろう、ダイレクトに伝わる荒らかな旨味に改めて唸らされた。純粋に、混じり気なしに、ビーフ100%かつ直火焼きの肉々しさを、まざまざと舌で感じ取った。
思えばハンバーガーのパティというものに対し、このように一つの料理として接したことはなかった。いや、「バーガーキング」がパティに対し、一つの料理として出せるほどに自信を持っているからこそ、この誤魔化しの効かない直球勝負の場が成立しているのだろう。
そうして剥き出しのパティの威力に快く打ちのめされた結果、事前の予想では「ライス オン ザ ビーフ」の方に充実感を覚えるに違いないと踏んでいたにもかかわらず、実際にそちらも食べてみると「ライスが無い方が好ましい」という倒錯した感覚に陥った。
確かに、老舗米屋と共同開発したという特製のライスパティと、肉汁を帯びたビーフパティの相性は抜群である。まして後者に絶妙に振りまかれた塩コショウが米に絡めば、フォークを動かす手は止まらなくなる。
ただどうしてもその一方で、ビーフパティ単体のジューシー具合が味覚に焼きついて離れなかった。少なくともしばらくは取りつかれたままだろう。「寂しい」やら「わびしい」やら言っていたのが噓のようである。人間はビーフパティ1枚でここまで変われるのである。
興味本位で来店した挙句、見事に術中にはまった筆者がいま読者の方々に伝えられることは、是非ともこの奇抜な新メニューを体験してほしいということに尽きる。「バーガーキング」ファンはもちろん、同店にまだ親しみがない方も、もれなく衝撃を受けるに違いない。
さて、「バーガーキング」が次に投じる一石は、果たしていかなるものであろうか。その石に翼が生えようが、深海まで潜り込もうが、もはや見送る手はない。
参考リンク:バーガーキング 公式サイト
執筆:西本大紀
Photo:RocketNews24.
▼ちなみに「オン ザ ビーフ」と「ソース オン ザ ビーフ」は、プラス350円追加でダブルパティに変更可能とのこと
西本大紀









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