選択肢があるというのは素晴らしい。これまでの人生で大体のことはうまくいかなかった私(中澤)にとっては、選べるというだけで凄いことだ。すなわち、バーガーキングが2021年2月5日から新発売したアボカドワッパーは凄い。ビーフパティか大豆パティを選べるんだから。
しかし、大豆パティにアボカドってどこかで見たことがある気がする。と、思っていたら、近所のフレッシュネスバーガーだった。『ザ・グッドバーガー(アボカド)』が大豆パティにアボカドの組み合わせである。ハンバーガー業界もフェイクミートの時代か。念のため食べ比べてみることにした。
・意地と意地のぶつかり合い
そもそもバーガーキングが大豆パティの「プラントベースワッパー」を発売したのは2020年12月のこと。以前の記事で、そのリアルな肉感についてはお伝えしたが、第2弾の大豆パティを使用したメニューが登場したことにバーガーキングの強い意志を感じずにはいられない。
ちなみに、アボカドビーフワッパーは690円、アボカドプラントワッパーは790円となっている。100円アップすることで大豆パティになる形。
一方、フレッシュネスバーガーが大豆パティ第1弾を発売したのは、2020年9月と若干バーガーキングより先。『ザ・グッドバーガー(アボカド)』は第2弾で、こちらもフレッシュネスの意志を感じる。価格は550円だ。
240円差だけあり、サイズ的には圧倒的にバーガーキングが勝っている。上から見ると大人サイズと子供サイズみたいだ。逆に、ハンバーガーの美しさで言えばフレッシュネスが勝っている。バーキンに比べれば小さいとは言え、大豆パティの先輩であるフレッシュネスにもプライドがあるのかもしれない。やれんのかコラ! お? コラ! タココラ!!
意地と意地のぶつかり合いとなったこの勝負。決着をつけるのは、やはり味しかないだろう。2つを食べてみたところ個性がハッキリ別れた。
・『ザ・グッドバーガー(アボカド)』
フレッシュネスはひと言で言えば上品。素材の味で勝負しており後味が爽やかだ。それでいて、あふれんばかりのアボカドと、低糖質バンズに意識の高さが垣間見える。味はもちろんだが、それ以上にバランスに気を使っている感じがした。
・『アボカドプラントワッパー』
一方、バーガーキングは、ひと言で言うならジャンク。普段のワッパーと味の雰囲気がほぼ変わらないのだが、むしろ大豆パティでこれだけ変わらないのが凄い。裏を返せば、それだけパティにリアルな肉感があるということだ。
・パティの違い
バーキンと比べると、フレッシュネスのパティはやっぱり大豆の味。何が違うのか気になって、何度も食べ比べてみたのだが、前述の味付け以上に食感がかなり違うことが分かった。
歯切れの良いフレッシュネスの大豆パティに比べ、バーガーキングの大豆パティには肉のねっとりした柔らかさのようなものを感じる。よくぞ大豆でここまで再現したものだ。さすが戦乱のハンバーガー業界を肉々しさで渡ってきただけはある。
とは言え、食べ比べていて思ったのは「必ずしも肉に近い方が勝ちとは限らないのではないか?」ということ。肉の代わりという考え方ならバーキンの勝ちだが、大豆パティという新たな食べ物として向き合うとフレッシュネスの味の方が新しい。そう考えると食べ終わった後の軽さはむしろ魅力かと思う。
まだ始まったばかりのハンバーガーチェーンの大豆パティには、ビーフパティ以上に各チェーンの方向性がハッキリ出ているように感じた。これも1つの選択肢。選べる時代に乾杯。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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