ある朝、実家のキッチンでひとつの現実と向き合っていた。

「包丁が……錆びとるやん」

標準語では「錆びている」。岐阜弁では「錆びとる」。その言葉どおり、実家の主力包丁が錆びていることに気づいた。

切れ味も落ちてきているし、そろそろ買い替え時か……と考えていた矢先、思わぬヒーローと出会った。しかも、ただのサビ取りじゃなかった。テンションまで上げてくれる、マルチすぎる実力に驚かされたので、ここに報告する。

・刃物の町・関市で出会った救世主

長年使ってきた包丁の刃に、気づけば赤茶色のサビが点々と浮かんでいた。

買い替えも検討していたちょうどそのとき、なんとなく立ち寄った岐阜県関市にある「刃物会館」で、気になる商品が目に留まった。

その名も「サビトール(648円)」

“サビを取る” にかけられた名称だと思うが、偶然にも岐阜弁の “錆びとる” にもかかっているじゃないか。単純だが、一瞬で心をつかまれた。

・いざ、サビに挑む!

自宅に戻って早速開封。包丁のサビ取りには、水をつけてから使うらしい。

今回は勢い余って、作業台に子ども新聞を敷いてしまったため、背景がうるさい点はご容赦いただきたい。

刃の部分に水を含ませたサビトールをあて、ゴシゴシとこすっていく。

でも、やっぱり背景が気になるので、仕切り直して……。

おぉ!  消えてく……!

擦るそばからサビが薄れていき、手応えあり。ただし、こすった跡がやや残るため、最初の段階では「こすりましたよ感」がすごい。

しかし、諦めずに包丁研ぎの要領で、水を足しながら丁寧に磨き続けること数分。

ピッカピカになっとーる

買い替えを検討していた包丁が現役復帰を果たしたことに、私もよろこんどーる!

・こんな所にも効果あり

サビトールの効果に大いに感動した私は、改めてパッケージの裏を読んでみた。

すると「タイルの目地の汚れにも効く」との記載が。そんなにマルチなの?

芸人が俳優業でも評価されたり、アイドルが小説出して賞を取ったりするのと同じ。サビトール、まさかの多才っぷりである。

試しに、キッチンのタイル目地に使ってみたところ、こちらもスルスル落ちる。しかも、やっていて楽しい。

汚れが目に見えて落ちる爽快感。思った以上に心までスッキリする。まさかサビトール、心のサビまで落としてくれるタイプ……?

・サビトールは、やっぱりマルチタレント

ここで終わらないのが、サビトールのすごさだ。

傘の金属部分、自転車のチェーン、ドアの金具……家の中を見渡しては「ここにも使えるかも」とサビ探しをしたくなる。

気づけば、サビトール片手に家じゅうを巡る日々。掃除用品としてはもちろん、気分転換グッズとしても超優秀だった。

ありがとう、サビトール。そのうち「人間用サビトール」とか出たら、膝と心にすぐ使いたい。買います、即決で。

参考リンク:サビトール
執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.