
私(耕平)は、その昔情報商材を累計500万円以上購入したことがある。そう、正真正銘の “バカ” だった。
当時は「簡単に稼げる」「月収100万円達成者続出」などの甘い言葉に踊らされ、次から次へと情報商材を買いあさっていた。今でもこうした詐欺まがいの商法は「悪徳マルチビジネス」と形を変えて、数多くの組織が暗躍している。
そんな中、私が昔参加した情報商材界隈の過去最大級の大規模セミナービジネスに参加した経験から、現在に繋がる怪しいビジネスの対策をお伝えしようと思う。
もしあなたの周りにも「簡単に稼げるビジネス」を紹介してくる人がいたら、この記事が少しでも役立つかもしれない。
・大規模セミナーのカオスな光景
まず前置きするが、ここで言う「情報商材」とは、価格に見合わないビジネスノウハウを高額で売りつけたり、詐欺同然の投資話を指す。
そんな商材を買いまくっていた私が、その界隈に身を置いていた時期に参加した日本最大級のネットビジネスセミナー。都内某所で行われたそのセミナーは、定員5000人の大規模だった。
会場の入口には30個くらいの花が並べられている。贈り主はいずれも当時の情報商材界隈のスターたち。その光景を参加者たちはまるでアイドルのコンサート会場のように写真撮りまくっていた。
「あの起業家からも、お祝いの胡蝶蘭が!」
……みたいな歓声が上がっていたのを今でも覚えている。その起業家たちで現在生き残っている人は、ほぼいない。
このセミナーの登壇者は5名くらいだったと記憶している。その5名は当時の情報商材界隈のトップオブトップ。開演前からすごい行列だったことが、鮮烈に記憶に残っている。
そしてスペシャルゲストとして、一瞬で巨額の富を築いたあの人も登場。私はたまたま会場入り前にその人を見かけたのだが、モデルみたいな女性と5名くらいの取り巻きを連れていて、途中サインを求める人も数人いたものの取り巻きが断っていた……まさにスターだった。
一方会場では登壇者やスペシャルゲストの他にも、情報商材界隈の有名人が複数ブースを出していたり、一般の参加者が写真を求める行列ができていたりと、今考えたらとんでもないカオスな状況だった。
言わば、まるでアイドルグループ顔負けの「情報商材界隈の握手会」みたいな雰囲気だったと言っても過言ではない。
・セミナー商法の恐ろしさ
ここで本物のセミナー商法を目の当たりにすることになる。ある登壇者がセミナーを終えて、高額ビジネス塾のセールスが始まった。
内容は講義があり、レクリエーションで近くの参加者たちとグループになって自己紹介や体を動かすなどのワークが中心だった。その価格は30万円、50万円、100万円の3コースだったと記憶している。
広いセミナー会場の後ろの方に、入会受付のブースが5席ほどあった。そして「入会手続きは後ろにあるブースで、先着順で受け付けます。それでは、どうぞ!」と言った瞬間、我先にとダッシュをかます人が続出。一気に500人くらいの大行列ができた。
たぶん100万円のコースを契約した人が、大声で叫びながらガッツポーズしていたのも記憶している。一瞬で1億円以上のお金が動いたのではないだろうか? マジでカオスだ。
なぜ、このような状況になったのか? それは計算されたセミナー商法のノウハウにある。
講義はあくまで入口。その内容に紐づけて、参加者に声を出させたり体を動かしたりすることで、警戒心を精神的にも身体的にも警戒心を解き、体を軽くして動ける状態に持っていく。
そこから悪魔的なセールストークが始まり、「本来なら200万円払っても得られない内容を、この参加者のみ100万円、そこから30万円、50万円のコースも用意しました。しかも24回の分割払いもOKですよ」みたいなクロージングの話術だったと記憶している。そして……
「それでは、どうぞ!」
で、たぶん雇われのサクラだろうと思われる10人ほどが受付にダッシュして、その光景を見た参加者も続いてダッシュ。さらに入会を迷っていた参加者を「今を逃したら……」みたいな思考にさせ、続けてダッシュするというカオスな光景が生まれるわけだ。
ちなみに私は、この高額ビジネス塾には入会していない。ゆえに怪しい情報商材かどうかは定かではないが、当時話題だったこのビジネス塾から成功者が出たなどの話は聞いたことがなかった。
・形を変えて暗躍する悪徳商法の実態
今ではここまで大規模に行われることはないと思うが、問題になっている「悪徳マルチビジネス」も、今ではSNSを使い架空のスターを演出することで、形を変えて勢力を拡大している。
この手のセールスに共通していること、それはアフィリエイトや仮想通貨などのジャンルを問わず……
「楽して稼げる系」
ということだ。ほとんどの人は「楽して大金を稼ぎたい」という願望を持っていると思う。かつては私もその1人だった。
この手のセールスは、そんな潜在願望を心理的に引き出して、たいして儲かりもしない商材を必死に売りつける。なぜ必死かと言うと……
「そうしないと稼げないから」
要はどんな形であれ、自分の紹介で成約しないと報酬が入らない仕組みから降りることができない状況だからだ。
昔の情報商材はネットを介して、メルマガなどで徐々に教育して最後に高額商材を売りつける手法が流行っていた。
バカの一つ覚えみたいなセールスだが、それで買う方もバカ。しかし時代の流れと共に、そっち系のバカも駆逐されていって今ではこのセールス手法を見かけることはほとんどない。
しかし現在の「悪徳マルチ」と呼ばれる手法は、喫茶店や個室などで強引に囲み、半ば強制的に資金がなければ消費者金融などで借金をさせて、さらにクーリングオフを条件に出すものの、結局対応しないというやり方で契約させる手口が後を絶たない。
・バカたちの共存
だからこそ気をつけてほしい。「簡単に稼げるビジネス」など存在しない……と、過去の私にも言ってやりたい。
これが存在していると信じて……
そのスキームを売るバカ、それを信じて買うバカ、さらに稼ぐために「紹介するバカ」
で、現在の悪徳マルチ組織が成り立っている。
私は昔、情報商材を累計500万円以上購入してきた。そのお金があれば、海外旅行を数回楽しめたかもしれないし、車も買えたはずだ。しかし、そのお金は全て高額塾や情報商材という名の幻想に消えていった……だから強く言いたい。
あなたの周りで湧き出す甘い話でバカの仲間入りになる前に、かつて大バカだった私から読者さんに対して警鐘を鳴らす意味で、この記事を書いた次第だ。
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.
▼こんな露骨なセールスページも今は見かけることが少なくなった
耕平






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