「沖縄の冬って本当に寒いの?」


沖縄好きの私(耕平)は、ずっと疑問に思っていた。というのも、沖縄には夏か秋にしか訪れたことがない。たしかに気象データを見ると、年間を通して気温が15℃以上をキープしているため、内地(本土)と比べると暖かいのは間違いない。

ただ、沖縄在住の知人から「冬は寒いよ」という話を聞いたり、移住してきた人も20℃を下回ると寒いと言っていた。

その真相を確かめるべく、冬真っ只中の石垣島と那覇を訪れることにした。そして、意外な答えに辿り着く──。

・想定外の寒さに襲われた石垣島

1月中旬、石垣島に訪問すべく成田空港に到着。気温は9℃で、まあまあ寒い。


飛行機で移動すること、約3時間半。初めての冬の沖縄、新石垣空港に到着。


気温は16℃。沖縄でこの気温を体感したことがなかったが、内地(本土)に比べたら11月中旬くらいの気温だと思う。


「まぁ、こんなもんでしょ」そう思ってコートを脱ぎ、長袖1枚で空港を出た瞬間……


寒っ!!!


16℃という気温の前提があったせいか、想像以上の寒さに襲われる。今までの人生で、このくらいの気温で寒いと感じたことはない。


その答えは、お天気アプリにあった。よーく見てみると……


体感温度:10℃


えっ? アプリに体感温度って表示あったの? 今まで知らなかったが、たしかに10℃なら寒いはずだ。その後、島内を移動するも寒さでコートを脱ぐことはできなかった。


島の中心地にある「ユーグレナモール」に移動すると、歩いている人はみんな厚着をしていた。


・寒さの理由

そして、翌日も気温16℃。しかし体感温度は、昨日より1℃低い9℃だ。


この温度差は、いったいなんだろう。初めての冬の沖縄に来て2日目。ここで、その正体に気づく。


答えは……


『風』だ。


石垣島に限らず沖縄は年間を通して風が強いとのこと。特に冬場は北風が吹き付け、実際の気温では考えられない寒さを感じるという。

その答えを裏付けるように、この日は朝は曇っていて風が強かったものの昼には晴れて風も止んだら、冬とは思えないくらいの暑さに直面した。



・一転、暑さに悩まされた那覇

10日後、今度は那覇に向かうべく、今月2回目の成田空港に到着。


石垣島での経験を活かし、今回もコートを持参。しかし那覇空港に着いてみると……


暑っ!!!


石垣島とは打って変わって、冬とは思えないくらいの暑さだ。この日の最高気温は23℃。石垣島で体験した体感温度との差は一切感じられない。

空港からモノレールに乗って国際通りに向かうつもりだったが、駅に向かう途中ですでに汗が出始めていたくらいだ。


そして那覇の中心地、国際通りに到着。


すると、驚くべき光景が……冬なのに半袖の観光客や、薄着の人々。風も穏やかで、そこには5月ごろに見るような風景が広がっている。


これが当初、私が疑問に思っていた「沖縄の冬って本当に寒いの?」の、もう一つの答えのような気がした。



・沖縄の冬は一言で語れない

今回の体験を通じて、同じ沖縄県内でも地域によって体感温度が大きく異なることがわかった。

特に那覇のような都市部と石垣島のような離島では、その差が顕著だった。おそらく同じ気温でも、風の強さや建物の密集度によって体感は大きく変わってくるのであろう。

今回の体験から、「沖縄の冬は暖かい」というイメージは、半分は当たっているが、半分は間違っていると思えた。現地の人が「寒い」というのも、決して大げさな表現ではなかったのだ。

特に離島は防寒対策が必要だと思うので、冬の沖縄旅行を計画している人は、薄手のジャケットだけでなく、防風性の高いアウターなども持参することをオススメしたい。

温暖なイメージが強い沖縄だが、その実態は天候や地域によって大きく異なる。だからこそ、何度訪れても新しい発見があるのかもしれない。

執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.

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