広大で整っている旭川駅前。都会なんだけど詰まってない雰囲気が良くて散歩にもちょうど良い。空が広いなあ。と、その時、駅直結のイオンの上に『JR INN』というビルがあることに気づいた。INNってことはホテルか。
立地的にも名前的にもJRのホテルであることは明白。それにしても『JR INN』って初めて見る。そこで宿泊してみることにした。
・JR北海道
調べてみたところ、この『JR INN』の運営会社はJR北海道ホテルズ。どうやら、JR北海道のホテル事業のようで『JR INN』は他にも札幌駅西、札幌駅南口、札幌北2条、千歳、函館にあるようだ。
ちなみに、JRのホテル事業自体は北海道だけではなく、東日本や西日本でもやってるっぽい。全然知らんかった。とは言え、ここで出会ったのも何かの縁。JRのホテルってことが一発で分かる名前も良いし、北海道に来た記念に一泊しておこう。
・フロント
予約してみたところ、宿泊費は1万8450円。参考までに、いつも泊まる古びたビジネスホテルのツインルームを見てみると、普段5000円くらいだけど9000円くらいになってた。タイミング的に高くなっているタイミングだったとは言え、ビジネスホテルなら割高感は拭えない。はたして中はどういう感じなのだろうか。
駅とイオンの間のエレベーターがエントランスになっていて、4階までがイオン、5階がフロントになっている様子。5階に上ってみると、ロビーは壁一面が窓になっていて旭川駅前が見渡せた。
マンガや本の置いてあるラウンジもある。ここはコーヒーも飲めて、ゆっくり流れる時間を感じられそうな空間となっていた。
さらには、多種の枕が置かれた棚があって、そこから枕を選ぶことができる。もちろん、部屋にはホテルっぽい枕があるのだが、枕が変わって眠れないことがある私としては、ありがたいサービスだ。低反発パイプとかあるやん。
・部屋に入ると
せっかくなので、テンピュールを持って部屋に行ってみたところ、部屋のサイズ感自体はビジネスホテルみたいな感じ。ベッドキチキチな広さである。にもかかわらず、ベッドルームに足を踏み入れた瞬間に感じたのは壮大さであった。
なぜなら、大きい窓があって、その下には線路が広がっているのである。さらに奥に見える山が、窓よりも先に目に飛び込んでくるくらい雄大なのだ。
・ただし
さすが、北海道の駅直結。ロケーションが素晴らしい。そして、部屋の造りもそのロケーションにピントを合わせたものになっているように感じた。ただし……
電車全然通んねェェェエエエ!
旭川駅にはJR函館本線、JR富良野線、JR宗谷本線、JR石北本線が通ってるけど、そう言えば全部1時間に1~3本くらいなのだった。悠久の時を感じる。
・イオンが庭
まあ、逆に言うと、ぼんやりするのにはちょうど良い。フロントから1フロア降りるだけでイオンシネマあるしな。
さらには、実はイオン旭川駅前は3階にマッサージチェアがある。宿泊していると、イオンもホテルの一部みたいな気がしてくるから不思議だ。
というわけで、泊まってみると思っていたより面白い。レイトショーを見てからすぐ部屋に帰ったり、大浴場でひとっ風呂浴びた後に、3階のマッサージチェアで揉まれたり、もはやイオンが庭である。
・価格とのバランス
単なるビジネスホテルと考えると割高に感じるけど、こういう立地の面白みや利便性、景色やホスピタリティーなどから、帰る頃には「そんなに割高ではないかな?」と思うようになっていた。
宿泊者には海外の家族連れやカップルもよく見受けられたが、確かに、こういうホテルのユニバーサルルームでゆっくり過ごす旅行もそれはそれで楽しい気がする。まあ、私には夢のまた夢だけど。束の間だったけど、リッチさとはまた別のゆとりの時間を味わえたのでした。
参考リンク:JRイン旭川
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼大浴場はまあ普通。サウナはないけど、外気を取り込むデザインの半露天風呂があった
▼机はビジネスホテルっぽい簡易のもの
▼悠久の時を感じた