みなさん、ハッピーハロウィン! 特に意味はないけどハッピーハロウィン!! ぶっちゃけハロウィンの起源などは知らないが、乗るしかない……このビッグウェーブに! というわけでもう1回、ハッピーハロウィン!!

あ、さて──。子供用のお菓子や仮装など、ハロウィンには欠かせない要素がいくつかあるが、その1つが「かぼちゃ」である。今回はそのハロウィン用のかぼちゃをあえて食べてみることにした。

・アホの上司発案

ハロウィンを翌々日に控えた、つい先ほどのこと。事務所で仕事をしていると “アホの上司” ことYoshioが、誰に言うでもなく「いいネタ思い付いた!」とやや大きめの独り言を発していた。

当然、無視を決め込んでいたのだが、いくらアホでも上司である。いたたまれなくなった私が「どんなネタですか?」と声をかけると、Yoshioは得意げにこう話し始めたのだ。


Yoshio「さっきさ、花屋でハロウィン用のかぼちゃが売ってたんだよ! 2500円で!! あれ食ってみたらいいんじゃない?


ムムム。エキセントリックが持ち味のYoshioにしては、何ともまともなネタである。私自身、確かにハロウィン用のかぼちゃを食べた経験はなく、どんな味なのか多少の興味はある。

ハロウィンの観賞用とはいえ、かぼちゃはかぼちゃ。食べられないということはないだろう。ワンチャン「いつものかぼちゃより俄然ウマい!」という可能性もゼロではあるまい。

・調理開始

というわけで、Yoshioが見かけたという花屋さんでハロウィン用のかぼちゃを購入。お店の人に伺ったところ、もちろん食べたことはないそうだ。

で、さっそく調理開始! 一般的なかぼちゃよりも5倍~10倍ほどは大きいため、とにかく切るのが大変!! 事務所にある安物の包丁が全然入っていかねえ! もはや鎧だろコレ!!

が、死闘の末、なんとかかぼちゃをカットし、かぼちゃ料理の定番「煮物」を作っていく。作り方はネットで検索した通りで、電子レンジで加熱した後に鍋でコトコトと煮込んだ。

で、完成した「ハロウィン用かぼちゃの煮物」はというと、見た目はいつものかぼちゃの煮物とほぼ変わらず、緑の皮がオレンジなだけ。いかにも “おふくろ味” っぽいヴィジュアルではないだろうか?

・いざ実食

さあ、どうなんだ観賞用のかぼちゃよ。お前やれんのか! 激ウマじゃなくてもいいから「意外とウマい」「全然食える」くらい言わせてみろ!! おそるおそる食べてみると……



うむ、マズいッッッ!!!!


まず食感は “ほくほく” はなく “シャキシャキ” である。繊維質が異常に多く、最後の最後に飲み込むまで、ハロウィン用のかぼちゃはシャキシャキと口の中でイヤな音を立てていた。

また味そのものは “無” と言っていいだろう。かなり青臭さはあるものの、砂糖の甘さでギリ食べられるレベルにはなっていた。ただし、それは食べ物としてというより「なんとか口にできる物体」という程度だ。

さらに言えばアクがかなり強く、食べ終えた後、口の中にイヤな渋みがしばらく滞留していた。救いがあるとすれば、後味で微かに感じた “かぼちゃの風味” だろうか。そこにだけ、わずかなかぼちゃの遺伝子を感じた次第だ。

・食えたもんじゃない

率直に言って、マッドマックスばりの食糧難にならない限り、私は生涯「ハロウィン用のかぼちゃ」を食べることはないだろう。そういえば花屋さんはこうも言っていた……「美味しくないから誰も食べないんです」と。

最後に、発案者のYoshioに「ハロウィン用のかぼちゃの煮物」を食べさせてみたので、彼の感想と共にこの記事を終えることにしよう。



Yoshio「え、冬瓜?


てめぇが言い出したカボチャだろうがッッ!!!!


~ハッピーハロウィン~


執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.