渋谷のど真ん中、道玄坂通りにある「キラキラドンキ」。これは若者向けのドン・キホーテの新業態で、10~20代の若者を見据えた業態である。

オープンしたのが2024年4月23日なので私(中澤)も何度か行ったことがあるが、店のディスプレイから違う。カラフルで可愛い色使いからは確かにキラキラしたいというドンキの意志を感じずにはいられない。と思いきや、よく見たらヤバイものが売っていた

・特化型ドンキ

ディスプレイだけじゃなく、置いてある商品のラインナップも統一感があるキラキラドンキ。少なくとも渋谷店は、普通のドンキの機能が向かいのメガドンキで事足りているためか、思い切ってキラキラ・可愛いに振られているように感じる

サブカル系ファッションとアイドルグッズに彩られる入口から強くそれを感じるし、コスメやぬいぐるみなども並んでいて、むしろ私のようなオッサンは入りにくい雰囲気すら漂っているほど。いつも石鹸とかシャンプーコーナーをチラ見するだけで帰ることになるほどキラキラしている。

・嘘だろ

だがしかし、そんな極振りされたキラキラドンキの中に信じられないものが売られていることに気づいた。TikTokに憧れたようなキラキラふわふわ可愛いがあふれるディスプレイの店内で異彩を放っていたその商品とは……


「焼きそば丼(税込430円)」。

どういうことだってばよ……? キラキラしたいんじゃなかったのかドンキよ。この方向性で焼きそばが並んでるだけでも違和感なのに、焼きそば丼って大阪人の私でもビックリだ。レジ前にサラッと置かれてるけどいくら何でも紛れるには無理があるぞ

・買ってみた

一生懸命積み上げたキラキラを一撃で破壊するくらいのパンチ力があるヤバイ代物だったので、念のため買ってみた。キラキラドンキで初めて買い物したわ。

パッケージには「大阪の定番焼きそば定食を麺と米一緒にかき込みたくてあえて丼にしました!」と書かれている。当方、大阪人ですけど一緒にかき込みたいと思ったことないです

・炭水化物界のアウトレイジ

まさしく、余計なお世話なこの丼は、どうやら「みんなの75点より誰かの120点」を合言葉に開発されているドンキオリジナル『ド偏愛めし』シリーズの1品であるようだ。フタを開けてみたところ……

キラキラしてなさが異常だ。その茶色っぷりはただキラキラしてないというだけではなく、もはや真逆の世界観と言って差し支えないだろう。

大盛の焼きそばの下は白ご飯になっていた。出てくるヤツら、全員炭水化物。炭水化物界のアウトレイジである。

・ドンキらしさ

事実、焼きそばは具なしなので、純然たる炭水化物・オン・炭水化物だ。大丈夫なのかこれ? 大阪人の私でも不安を感じずにはいられない炭水化物っぷりだが、食べてみたところ……

イケる。そばめしと違ってご飯は白ご飯で炒められてないので、渇き系の麺とご飯に食感のコントラストが良い。そこにソースとマヨネーズの魔法がかかるため普通にウマイ。

430円と考えるとやれるだけやってる感じがする本商品。見かけはともかく、安いというのは確かに若者向けと言えるかもしれない。いらないものは全て捨てるどころか、いるものも若干捨てて尖ってるところにドンキらしさを垣間見たのであった。

参考リンク:ド偏愛めし
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.