九州地方において大分発祥の「ジョイフル」は絶対的な存在だ。泣く子も黙るファミレスチェーンの重鎮で、一度も食べずに生きてきた地元民はいないレベルだと言っていい。

さて先日、そのジョイフルのHPを眺めていたらヒジョーに興味深いものを見つけた。まさかまさかのそのまさか……なんと「並木街(なみきのまち)珈琲」なるおしゃれカフェを展開しているというのだ! 知らんかった!!

・入り口で頭真っ白

並木街珈琲は2018年7月に1号店を出店。2024年7月現在、大分市に2店舗、福岡の博多区に1店舗を構えている。

ちなみに博多区は博多区でも博多駅付近の中心地ではなく、福岡空港近くで東平尾公園(博多の森)の方と郊外だった。人が集まる天神、博多駅あたりじゃないのを不思議に思うも外観を見て納得!

なんとまぁ……!


落ち着いた雰囲気が漂っていて、完全にシャレオツへと舵を切っていたのだ。目指しているのは「心のリセットボタンをそっと押せる街のオアシスのようなお店」で、ターゲットは30代から50代の女性とのこと。

店の構造とか そこはかとなくジョイフルっぽい感じを残しつつも、オシャンティだからアラフォーのオッサンである私は入る前から緊張しちゃう。


それではお邪魔します〜……って、えっ?



なんてこったココ……


撮影禁止だ!!!!


・ジョイフルとは違う路線

──と、店内や料理の映え撮りができなくなった私は頭の中が真っ白になってしまった。

とはいえ、せっかく現地まで来たのだ。こうなったら並木街珈琲の公式インスタと合わせて店内の様子をレポートするとしよう。

まず同チェーンの感想を一言でまとめると「優雅」である。訪れた時間帯が平日の午後というのが関係しているかもしれないが、マダムたちがお茶しながら過ごしておりファミレスとは違って静かな時間が流れていた。

そして驚いたのが価格で、パスタ、ライスどれを食べても1000円オーバーは当たり前とやや高級路線。例えば店名がメニュー名に入った「並木街風スフレオムドリア」だと……

セット料金1570円(単品は1410円)で、庶民の私からしたら牛丼3杯と天秤にかけてしまう設定だったのである。今回は経費なので気兼ねなく注文したが、ゆっくりできる分ちょっとお高めだと覚えておくといいだろう。

なお、味の方は手のこんだ様子がうかがえた。泡立てたメレンゲからは出汁(魚介でカツオ?)の味がしてシャレオツ全開だったし、ホワイトソースをからめて食べるチキンライスもササッと出せるタイプではない。

時間をかけて作っているのが分かる見た目と味。ちなみにガッツリ系を思わせる見た目に反して量はそんなにだったから、少食の人でもビビらずに進めば案外すんなりと完食できるだろう。


・パンケーキはガチ

続いて看板メニューだというふわふわパンケーキ(800円)も注文した。一言で表すならこれはガチ

個人的にはあまり甘いものを食べないのだが、絶妙な甘さといい口の中で消えていく感覚といい最高。メニューの「ふわふわ」という名前に負けないふわっぷりで、あっという間に完食してしまうほどウマかった。

また、味もさることながら赤い皿を使うことで粉まで「映え」を意識したスタイルは計算されていて感心するレベル。1枚ずつ焼き上げるから提供までの時間こそかかったものの、納得の美味しさ、そして納得の看板メニューぶりであった。


・今後どうなる?

実はおよそ6年前から巨大なライバルが多いカフェ業界に進出していたジョイフル。まだ店舗が少ないながらも、あえての郊外店で攻めているあたり他に比べて住み分けはできているように感じた。

そうだそうだ、主軸のコーヒーはネルドリップを採用しているとあって本格的。紅茶やハーブティー、さらにはスムージーやフラッペなんかも取り揃えているのも追い風となるか。

席がゆったりしていること、落ち着いた雰囲気であること、このあたりを好む層は確実にいるから今後の展開に期待である。


・今回ご紹介した店舗の詳細

名前 並木街珈琲 博多の森店
住所 福岡県福岡市博多区東平尾1丁目182-1
営業時間 【平日】 10:00〜22:00(L.O 21:00)【土日祝】8:00~22:00(L.O 21:00)
休日 なし

参考リンク:並木街珈琲、Instagram @namikinomachicoffeePR TIMES
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.