「わたくしがだ〜いすきなのは、ニンニクをた〜っぷり詰めた、鶏の丸焼きよ!」

今、個人的にハマっているYouTube動画「沖縄方言すぎる白雪姫」で、主人公の白雪姫が自己紹介する一幕だ。

これを聞いていて、そんな料理を1度でいいから食べてみたい! と考えていた私(耕平)は先日沖縄に行った際、どこで食べられるかを調査していた。しかし他の用事も重なり、結局断念することに……。

次回は絶対に食べようと思い、帰りの飛行機に乗ろうとしてところ、謎の『ブ販機』なるものを発見! そこには諦めかけていた鶏の丸焼きが販売されていた──。

・那覇空港の「ブ販機」

帰りの便に乗るべく、那覇空港に到着。直後に搭乗する便が1時間遅延するというアナウンスが……とりあえず時間を潰そうと、空港内を歩く。


その後、手荷物検査を済ませてウロウロしていると、36番搭乗口の横にある喫煙室の前に、何だか見慣れない自販機がある。


近づいてみると……


『ブエノチキン』だと!?


えっ? こんな奇跡ある?? そこには完全に諦めていたニンニクがた~っぷり詰まった鶏の丸焼きが、自販機で販売されていた。


ちなみに自販機の側面を見ると、『ブ販機』と呼ばれているらしい。


商品に目を向けると「まるごと1羽」が3500円と、なかなかのお値段。


もう一つ、「半羽カット」が1750円と半額で売られていたが……


こちらは売り切れていた。


個人的に自販機の買い物で、3500円は過去最高額だ。


ただこの機会を逃したら、もうブエノチキンは食べられないかもしれない……ということで、意を決して購入する。



・沖縄のソウルフード「ブエノチキン」

ここで『ブエノチキン』について、簡単に説明しようと思う。

『ブエノチキン』とは沖縄で育った「やんばる若鶏」1羽に、ニンニク1玉をまるまる刻んで詰め込んで、じっくりローストして作られている、沖縄南部で大人気のソウルフードのことだ。


こちらの『ブ販機』は、浦添市にある「沖縄丸鶏製造所 ブエノチキン」という店舗が展開している。


ということで、さっそく自宅で調理開始だ。


保冷袋を開けると、真空パックされた若鶏1羽と調理方法が書かれた「トリセツ」、お土産用と思われるオリジナルの袋も入っていた。


「トリセツ」を開くと、部位の解説、調理方法、食べ方などが図解で丁寧に書かれている。


調理方法は湯煎と電子レンジの2通りある。今回は「おすすめ」と書いてある湯煎で調理することにした。


鍋でお湯を沸かし、ブエノチキンを投入。


湯煎でじっくり温めること約30分。ニンニクがた~っぷり詰まった「ブエノチキン」が完成!



・いざ実食!

それではいよいよ、沖縄で絶対に食べようと思った「ブエノチキン」を自宅で実食してみよう。


鶏の丸焼きを食べるのは初めてなので、「トリセツ」に書いてある「チキンの切り方・食べ方」を見ながら食べ進めていくことにした。


まずは書いてある通り、真ん中の骨に沿って切り込みを入れていく。


丸焼きの中身が姿を現すと、噂通りニンニクがた~っぷり詰まっている。


これは絶対に美味いやつだぞ……期待を込めて口に運んでみると……


メチャメチャ美味い!


予想以上にニンニクの旨みが口の中にブワッと拡がるが、生のニンニク特有の辛味が一切無い。ニンニクを多めに食べてみても、その風味は変わらなかった。


そして気がついたら、あっという間に半分まで食べ終えていた。そして「手羽」の部分を切り取る。


口に運んでみると……


これも美味い!


普通の手羽先とは違い、ニンニクの風味がこの部分まで染みわたっている。今まで食べたことのないパンチの効いた手羽先だった。

そんな鶏の丸焼きも、いよいよ終盤。ここでブエノチキンのエキスが詰まった「ニンニク&汁」を飲んでみると……


はい、細胞がニンニク化しました。


これはヤバいぞ。ただのニンニクスープとは違い、採れたての鶏のエキスと融合していて、最高に美味い。

ここでは試さなかったが、たぶん白米やパンなど、どれに合わせても万能のスープだと思う。これだけ単体で販売されたら、即買いするレベルだ。



・デメリットもある

そんな個人的に大絶賛したブエノチキンだが、デメリットがあることも忘れてはいけない。それは「強烈なニンニク臭」だ。

まず自宅で調理するときは、十分に換気が必要だ。じゃないと、部屋中にニンニク臭が充満することになる。

ただし、そのデメリットを差し引いてもブエノチキンの美味しさは賞賛に値する。今回のように那覇空港の自販機なら、帰りの飛行機の時間を気にせず購入できるので、ぜひ一度試してみてほしい。

参考リンク:沖縄丸鶏製造所 ブエノチキン 
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.