【さらば友よ】980円で買った中古車、ついに廃車へ…! 共に駆け抜けた10年間! ありがとう、そしてさよならミニカ!! 2ページ目(1ページ目はコチラ


・ミニカのラストラン

ほぼバカ殿と化したミニカちゃんを見て軽く笑う業者さんだったが、ちょっと困ったこともあった。ミニカをレッカー車まで運ぶには、ロケット荘の前にある細い橋を渡らないといけない。しかし……


前ページでも書いたように、ミニカのエンジンはもうかからなくなっている。つまり、ミニカをみんなで押してやる必要があるのだ。前日の雨で地面が少々ぬかるんでおり、作業は難航することが予想された。


「エンジンがかかるか試してみましょう」とボンネットを開ける業者さん。もちろん羽鳥とYoshioがすでに何度も試している。普通に考えたらかかるはずはないのだが……次の瞬間。


かかった。

・奇跡

ドルンドルンと音を立ててよみがえるミニカ。すぐさま業者さんが乗り込んで発進し、一気に橋を渡り切ることに成功した。思わず叫ぶYoshio。まるでミニカが我々のため、最後の力を振り絞ってくれたかのようだ。


しかもこの時、驚くことにミニカの後輪は回っていなかった。業者さん曰く、固着して動かなくなっているとのこと。そんな状態でよくぞ……。健気すぎるミニカの姿に、激しく胸を揺さぶられる私。


そして、ついにその時がやって来た。



静かに待機するレッカー車。


これで本当の本当にお別れだ。


ふとYoshioを見ると……


え!?


まさかの号泣である。


・紙で来た

この日、どうしても現場に来ることができなかった羽鳥の写真を、なぜか拡大印刷して持ってきていたYoshio。めっちゃアホなヤツの遺影みたいになってしまっているが、ここに一番来たかったのは他ならぬ羽鳥に違いない。


ミニカはそのままレッカー車へ。


私たちは、ただその様子を見守る。


そして……


・別れの時

とうとう積み込み作業が完了した。「よろしいですか?」という業者さんからの声掛けに、「はい」と返すYoshio。そうか……これでお別れなんだ。するとその時。



不意に、ロケットニュースと共に駆け抜けたミニカの10年間が、私の中に流れ込んできた……ような気がした。そう、それはあまりにも波乱万丈な、10年に渡る歴史──。





2014年11月──


2015年2月──


2015年3月──


2015年9月──


2016年11月──




2017年7月──


2017年12月──


2018年7月──


2018年8月──


2020年7月──


2022年11月──


2023年9月、そして──




2024年6月。つまり今日だ。



・ありがとうミニカ

くそッ、何だか涙で目が霞んできやがったが……ここまできたら笑って見送ってやるのが仲間ってもんだろう。さらばミニカ! さらば友よ!! お前は最高の車だった!


もう乗れなくなるのはたまらなく寂しいけど、誰よりも体を張ってくれたお前の熱いロケット魂、しかと受け取ったぞ! 私たちはまだまだ走り続ける! これからも見守っていてくれよな!!


10年間、本当にありがとう!


さようなら!


さようなら!!







こうしてミニカは、その激動の車生に幕を閉じた。なんだか胸にぽっかり穴が空いたような気分だが……いや、そんなことを言っていたらミニカに笑われてしまうな。

さあ、仕事だ仕事だ! 今日も最高にくだらなくて、最高に楽しいことをしよう。



ミニカ物語 ~完~


執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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