江戸時代、宿場町として栄えた東京・南千住エリア。現在でも格安ホテルがあちこちに存在し賑わいをみせている。

今回の宿レポ先は昭和レトロ感がある「ビジネスホテル福田屋」。駅から徒歩約10分で宿泊料金は1泊3500円(個室)と格安。

なかなかコスパがよさそうなので、楽天トラベルを使って予約してみた。さっそく現地にやってきたのでレポートしていこうと思う。


・チェックイン

レンガづくりで年季の入った福田屋。優しい暖色系ライトが暗い夜道をボウっと照らしている。銀色に輝くエントランスがこれまた印象的。


扉を開けると真横にフロント。昭和後期〜平成初期の面影が残っていてどこか懐かしさを覚える。受付後はスタッフさんが館内を軽く案内してくれた。

玄関でスリッパに履き替えるのかと思いきや、靴を履いたまま各階移動してオーケーらしい。スリッパは客室に用意してあるとのこと。



・館内探索

ロビーには古びた電子レンジやドライヤー、そして白いシーツで覆われた謎の置物がある。使われなくなったマッサージ機のようにも見えるが、これは一体なんだろう……。


そのほかにも電気ポットや公衆電話などがある。そして自販機ではソフトドリンク・お酒が販売中。細長いアサヒビールの自販機は昭和感が漂っていて魅力的。


自販機の向かいはエレベーター。階段でフロア移動も可能だ。試しに最上階まで行ってみよう


ホテルは6階建てで意外と高さがある。2〜5階が客室。そして6階が屋上となっている。残念ながら屋上はロックされていて外に出ることができない。戻りがてら向かいの窓を覗いてみると……


まあまあ見晴らしがよかった。このエリアを訪れたら必ず利用するスーパー「まいばすけっと」が見える。今夜の夕食もそこで買ってきたお弁当だ。さて、そろそろマイルームへ行ってみよう。



・マイルームへ

階段を降りて2階に到着。結構年季の入った廊下である。中央付近には洗面所やトイレ、ウォーターサーバーが完備。


なぜか廊下は灯油のニオイがもわもわと漂っている。場の雰囲気も相まってさほど気にはならなかったが、なんとなく冬に逆戻りしたような気分になってきた。

マイルームは奥の角部屋・210号室。さっそくドアを開けてみると……


3畳の和室が出現。使い古された畳や布団、ちゃぶ台などが確認できる。バス・トイレはなし。


そして照明スイッチは陥没。この部屋、マジで渋すぎだろ……。


ミニ冷蔵庫・テレビ・エアコンは比較的新しめ。冷蔵庫は電源プラグが抜かれていて開けっぱなしになっている。なかなかワイルドで笑った。


鉄格子&トタン付きの窓はインパクト大。これぞ安宿街、という感じが伝わってきてワクワクする。


アメニティはタオル2枚(大・小)と浴衣のみ。使い捨ての歯ブラシはなし。持ち合わせていない場合は、すぐ近くのスーパーやコンビニで購入するといいだろう。

ひと息入れたら1階の大浴場でバスタイムだ。



・大浴場へ

男女入れ替え(時間制)となっている浴室。ちょうど男性が利用できる時間帯だったので入ってみる。

大浴場は大人が3人ほど入れるサイズ感。ステンレス浴槽とケロリン桶の組み合わせは趣があって素晴らしい。


ちなみに、同フロアには24時間利用可能なシャワールームが完備。大浴場の時間帯によってはシャワーでパパッと済ませるのもありだ。


・部屋の設備がヤバい

ひとっ風呂浴びたあとはマイルームに戻って寝支度を整える。布団とシーツを敷いたら今夜の寝床ができあがり。ふかふかとしていて気持ちよさそう。


ゴロンと寝っ転がってテレビをつけてみる。液晶画面は若干ぼやけていてブラウン管テレビ並み。音量も急に小さくなったりしてヤバい。これはこれでレトロ感があっていいのかも……。


今度はテレビを消してスマホいじり。館内の無料Wi-Fiに接続しようとしたところ……全然つながらない。

角部屋のため電波が届きにくいのだろう。ネットで動画を視聴しようと思ったが、あきらめて今夜はもう寝ることにした。

それにしても、ここほど年季が入ったホテルに泊まったのは初めてだ。終始興奮しっぱなしで結構楽しかったぞ。

まるで昭和から時間が止まったままのような館内は必見。東京に宿泊する際はぜひ利用してみてほしい。



・今回ご紹介した施設の詳細データ

名称 ビジネスホテル福田屋
住所 東京都台東区清川1-35-11

参考リンク:楽天トラベル
執筆:古沢崇道
Photo:RocketNews24.